RIEDELリーデル「ワイングラス・テイスティング」セミナー潜入レポート!

リーデルだけが知っている、グラスでワインの味が変わる驚きの体験!

知らないと損する! ワインを美味しさを引き出す、グラスとのマッチング

 

ご存知でしたか?

リーデルのショップで、「ワイングラスのテイスティング」ができるセミナーが行われています。

え? と思った方、そうです。ワインではなくて、「グラステイスティング」なんです。

 

もちろん味わうのはワインです。でも、グラスの形の違いによってワインの味わいが異なってしまうことを知るのが「グラステイスティング」なんだそうです。

 

本当にそうなの? そんなことが飲んでみてわかるの? 

私たちはちょっと半信半疑、ちょっとワクワクしながら、青山一丁目のツインタワーにあるリーデルのグラス・ショップ、「リーデル青山本店」にうかがいました。

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セミナールームは1人から20名(!)まで申し込めます。

5人までなら、店内のカウンターで。それ以上は、お店の奥のセミナルームで開かれます。

 

この日は私たち以外にも3人参加。セミナルームで受講です。

 

講師はソムリエールの中村桜子さん。

目の前には5客のワイングラスが。そのうち4客にワインが注がれています。

番号とグラスの名前がプリントされた紙の上にグラスは乗っていました。

 

「セミナーといっていますが堅苦しく考えないで、実験のようにグラスをくらべていきますので、楽しんでいってください」と中村さん。

 

驚きの連続! めくるめく1時間のワインとグラスのアドベンチャー

ワイングラステイスティングは、たった1時間ですが驚きと発見の体験でした!

最適なグラスで味わうと豊かな風味がお口に広がり、そうでないとワインのテイストの一部だけが強調されて、微妙な美味しさや複雑さが隠されてしまったのです。

 

セミナーの流れはこんな感じです。

テイスティングに使われるのは、全く違うタイプの4種類のワイン。それぞれがそのワインに一番合うグラスにサーブされています。

グラスの中でワインをくるくる回して香りを立たせる「スワリング」など、テイスティングの仕方を教わりながら、ひと種類ずつテイスティング。最適グラスとそうではないグラス飲みくらべます。

ソムリエさんといっしょに、香りを取ってから味をみるというテイスティングを何回も行うと、セミナーが終わったときにはちょっとはサマになったような気がします(笑)

レストランで自信がなかった人には、テイスティングの仕方もしっかりプロから習えますよ。

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最適のグラスでテイスティングしたら、次はそうでないグラスで試してみてみます。

これが驚きなんです!

ひとことで言ってしまえば、美味しくなくなってします! ある種類のワインでは酸っぱすぎたり、別のワインでは渋みが強くなりすぎてしまったり。

これまで「失敗したなー」と思っていたときって、もしかしたらダメだったのはワインではなくてグラスの選び方だったのでは…!

 

もう悩まない。これでわかるワイングラスの選び方!

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では、「どうしたらそのワインに一番のグラスを選ぶことができるの?」と思いますよね。

それが簡単なんです。

ちゃんとグラスの名前が最適ワインの名前になっているんです。『なーんだ」じゃないですよ。買ってからもその名前を無視して使ったら、まさに「宝の持ちぐされ」。

そのことがこのセミナーでよくわかります。

ワインのブドウがグラスの名前になっていますので、そのワインのブドウがわからなければ、検索して調べましょう。

リーデルにはシリーズもたくさんありますが、ほとんどのシリーズでブドウのラインナップは変わりません。グラスの作り方や重量の違いなので、そのシリーズにするかはお値段と相談して決めればいいと思います。

 

世界中のワインを4つのグラスでカバーする。ワインを楽しむ最小限のラインナップはコレ

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このセミナーのワインがなぜ4種類かというと、2種類ずつのホワイトワインとレッドワインで、大まかにワイン全体を分けることができるからなんです。

どういうタイプかというと「スッキリ爽やかな白」に「こってりまろやか白」、「酸味や果実味がある赤」と「渋みがある赤」の4種類です。

もちろんワインや醸造酒は多様性に富んでいるので、さまざまなブドウやお酒の種類にふさわしいグラスを作っています。現在14のシリーズに175ぐらいのアイテムがあるそうです。

 

5つのグラスには左から番号がついていて、それぞれ2番のワインがスッキリ爽やかな白。3番はこってりまろやか系の白。4番は酸味や果実味がある赤。5番は渋みがあるタイプの赤用のグラスになっています。

つまり、ちょっと渋みのある赤だなというときは5番のグラス、酸味のある白だなと思えば2番のグラスをチョイスすればワインが美味しくいただけるわけです。

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ところで、1番のグラスだけはリーデルではありません。カジュアルなお店で出てくるタイプ。

「リーデルではあまりこれでワインを飲むのにはふさわしくないな、と思っているグラスです」

リーデルのグラスと比較するという役割ですね。 

 

赤 / 白どちらにも、酸味のあるワインにはコレ

RIEDEL<リーデル・ヴェリタス>リースニング/ジンファンデル

リーデルヴェリタス_リースニングジンファンデル

それではいよいよテイスティングの始まりです。

中村さんの言葉にしたがって、グラスの中に鼻をグッと深く入れるようなイメージで、香りをとってみます。

すっきり系白ワイン、アルザス地方のリースリングです。フルーティ、甘酸っぱくて軽やかで飲みやすそう。蜂蜜のような香り、ジャスミンのようなお花の香りが広がります。

 

そして次に、カジュアルなグラスで香りをとってみます。

香りが違います! 変わってしまいました! フルーティーさがなくなった? ぼやけた感じなった気が。

 

カジュアルなグラスと2番のグラスは形が違います。

2番は卵形になっていて、香りをとじ込めてくれるだけでなく、中で対流が起こって香りが立ちやすい形状になっているんだそうです。

 

いよいよ飲んでみます。

甘酸っぱい爽やかな味。うん、甘みもあります。また、違うグラスでもテイスティングしてみます。

えーっ、水っぽい感じ!? 酸っぱくて深みがないかも。なんか違うワインみたい、みんなでザワつきます。

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中村さんが説明してくれました。

「2番のグラスで飲むときに、自分のアゴがどうなるか気にしてみてください」

「このグラスでは、下を向いたままでは口にワインが届きません。自然とアゴが上がり頭がそり、姿勢も上向きになります。そのとき、舌もノドに向かって角度がついて坂になりますね。舌の先に導かれたワインは、すっと舌の真ん中を通ってノドに入ります。これが2番のグラスの『流れ方』です」

驚きです。お口の中でのワインの『流れ』なんて、初めて聞きました!

舌は個人差はありますが、先では甘みと渋みを感じやすく、両脇で酸味が感じやすくなっています。

このグラスではワインは舌先に導かれて下の中央を直線的に流れて、酸味と果実味をバランスよく味わうことが出るようになっているのです。

これとくらべたら、カジュアルなグラスでは下向きで飲めました。ワインは長く舌に残って、口全体に広がっていたと思います。

 

このグラスは、さっぱりした白ワインだけでなくボジョレー・ヌーボーなどの軽めの赤ワイン、ロゼワインにもマッチするそうです。

 

意外! まろやか白ワインは大きなグラスで

RIEDEL<リーデル・ヴェリタス>オークド・シャルドネ

リーデルヴェリタス_オークドシャルドネ

続けて3番のグラスはこってりまろやか系白用。グラスの名前は「オークド・シャルドネ」です。

 

このグラスの名前に注意です。

この品種のワインには作り方が2種類あります。ひとつは、採取したぶどうをタンクで発酵させてすぐビン詰めするもの。これはスッキリ・シャープな味。

もうひとつの作り方は、タンクのあと樽に詰めて熟成させる方法です。

オークドという名前からわかるように、樽で熟成させることによってシャープな酸味がコクのあるまろやかな酸味に変化したシャルドネが、3番のグラスにマッチするということです。

 

色は、ゴールドのように美しく輝いています。

まずは少しスワリングして、香りをとってみます。

ナッティーで香ばしい木の香り、非常に熟したパイナップルとか、トロピカルフルーツの印象も感じますね。スシュガートーストのような甘く香ばしいニュアンスーーと中村さんが表現してくださいました。

ふむふむ、ここら辺も勉強になるところです。

 

テイスティングは、『流れ方』を意識して飲んでみます。

美味しい! 

口いっぱいにコクのある美味しさが広がりました。

 

この飲んだ後も舌に残る、ほろ苦さとか香ばしさを『余韻』といいます。

アルコールが強いものとか、凝縮された感じのするいいワインは余韻が長く続くと言われているそうです。

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さっきのグラスでは、ワインはスルスルと下の中央を流れていく感じでしたが、このグラスでは口いっぱいにひろがりました。だから口の中の滞在時間が長くて、余韻が続くんですね。

 

また3番のグラスは口径が大きいので、ワインも横に広がって入ってきました。

舌の中程にワインが入ってきて、苦味を感じやすい舌の先に最初には触れないようにして、コクや微妙な味覚を感じさせてくれるのがこのグラスの形なんです。

 

今度は、このオークドシャルドネを別のグラスでいただくと…

驚きです! 違いすぎます!

ついいま味わった豊かな余韻がなくなり、喉の奥でアルコールを感じるアンバランス。もったいなーい。あの美味しさはどこに!

リッチな、口じゅうに広がる旨味が感じられない。

本当にグラスでワインの味が変わってしまいました。3番でまた飲むと、おいし! 甘みやクリーミーなニュアンスも感じられて、料理が欲しくなっちゃいます。

 

ワインの繊細さを引き出すグラス vs 赤ワインの敵!

RIEDEL<リーデル・ヴェリタス>オールドワールド・ピノ・ノワール

リーデルヴェリタス_オールドワールドピノノワール

私は酸味のあるワインが、じつは苦手でした。ところが今回そういうワインの酸味の奥に隠れていたさまざまな風味を引き出して、本当の美味しさを実感させてくれたのがこのグラスです。

 

4番のグラス、「オールドワールド・ピノ・ノワール」。ピノ・ノワールは香りは複雑で豊か、酸味は強めで渋みは中程度。オールドワールドとは昔からワインを作ってきたヨーロッパのことです。

 

中村さんに導かれてテイスティングしてみます。

色は明るいクリアな赤。グラスの縁が少しオレンジ色ぽい感じで、このようなワインの色をルビー・レッドいうそうです。

香りを取ってみると、フルーティーで芳醇です。赤い果実フランボワーズ、チェリー、ローズヒップティのようなハーブを感じます。
そして味見をしてみると酸味のある軽さ。繊細で、香りとギャップがある感じ。

 

「4番のグラス、これも酸味ををおさえるグラスになっています。しかし同じく酸味をおさえる2番とは大きく形が違います。が、口はやはり絞ってあり、アゴを上げないと飲めません」

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口の中の『流れ』を意識して飲んでみます。

2番よりたくさんのワインが舌先に入ってきて、果実味や甘みをキャッチします。その後舌の上で細くなって、ずーっと喉の奥に流れていきます。飲み込んだ後に軽い渋み、苦味が残る感じがします。

 

「4番とくらべたいのは3番です。両方ともボウル(液体の入る部分)の形は、コロッとして同じです」中村さんはおっしゃいました。

じつは、この二種類のグラスの下の部分は全く同じ形をしたグラスなんです。4番のグラスの口から上を3センチぐらい切ると、3番のグラスになるんだそうです。

でも、これだけで3番はホワイト専用、4番はレッド専用に分かれてしまうのです!

 

「3番もボールが大きいので赤ワイン様と思ってしまう人もいます。お店で3番で赤ワインが出てきても、違和感を感じないと思います。ですが私たちリーデル社では、3番はどんな赤ワインにも向かないと考えます。

オーストリアにいる、当社の社長は赤ワインの敵とさえいうほどです」

すごいこと言いますね。『赤ワインの敵』だなんて!

 

試しにピノ・ノワールを3番のグラスで飲んでみます。

なんてことでしょう!

美味しくない。安っぽい味です。水みたい。どうしてこんなに味がないの。薄いスカスカのワインになってしまいました。

みんな驚きです!!!

 

もうちど4番でピノ・ノワールを飲んでみます。

香りが立体的、ボリューミーです。

お味は酸味はもちろんですが、甘み、苦味が感じられて、立体的。思わずため息で、おいしーといってしまいました。

 

「4番は鼻がグラスに入って、カバーされた形です。

ゆっくりワインが鼻と口に近づく。ワインを飲むときも、ずっと香りを嗅いでいる状態です」

3番も口径は広く鼻は中に入りますが、すぼまっていなないので香りは逃げてしまいます。あまり飲んでいるときに香りを感じないことから、味がぼやけてしまうんですね。

「グラスのボールが大きいからといって、赤ワインにあっているとは言えないんですよ」

 

納得です。ワインの持っている要素に注目して、グラスは決めないと! 

リーデルで一番売れているワイングラスで、カベルネを体験

RIEDEL<リーデル・ヴェリタス>カベルネ/メルロー

リーデルヴェリタス_カベルネメルロー

ビロードのような滑らかなタンニンとほのかな甘み、凝縮した果実感のある赤ワインって、一番好きなんですよねー。

5番は、そんな渋みのあるワインに一番ふさわしいグラスです。

グラスの名前は「カベルネ/メルロー」。カベルネのワインと、メルローから作られたワインにあう形です。

 

フルボディ、ボルドータイプと呼ばれる、渋くて、甘くて、濃いというタイプのワインならこのグラス。世界で一番飲まれている種類のワインだけあって、リーデルにおいてもこれが一番売れているグラスだそうです。

 

今日のワインはアルゼンチンのカベルネ・ソーヴィニヨン。

テイスティングしてみますと…

色は黒に近いダークレッド。

香りは、チョコ、黒い果実、ブラックベリー、ドライフルーツ、プルーン、レーズン、果実の凝縮したジャムやリキュールなどのニュアンス。スパイス、インク、オイル、樽の甘い香りも感じます。

お味は…渋め、重たい、濃い、ざらっとした舌の水分が取られるドライなワイン。タンニンを感じ、アルコール感も強いです。

 

5番のグラスが渋みのあるワインに向いているというわけ、渋みを抑える性質があるからなんだそうです。

そう言われても、どこが抑えられてるのかよくわかりません。

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それで比較のため、別のグラスでこのカベルネ・ソーヴィニヨンを味わってみます。

 

うー、渋すぎる。後味が悪い、苦い。バランスが悪い。甘みとか酸味が薄まってしましました。濃厚で美味しかったワインが、苦いだけのものに変わってしまった!

 

5番で味わい直すと、タンニンの渋みだけでなく、甘みや酸味が口に広がりまろやかな風味が蘇ってきました! すごい! もう全然違いますー。

 

「舌先に入ってくる量は2番より多いですね。そして3番のように舌先を飛び越して、中程から口に広がります」

 

舌先で感じやすい渋みをおさえて、そのあと舌全体で複雑な味を感じるんですね。もう、脱帽するしかありません。というか、これ知らないとワインがもったいないですよね。

 

どうでしたか? ここまでで約1時間のセミナーでした。

私たちの驚きは伝わりましたでしょうか?

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分かった人も、分からない人も、とにかく一度、このセミナーをオススメします。

 

丁寧にレクチャーしてくださった中村桜子ソムリエールさん、ありがとうございました!

受講者の感想です

この日に参加なさったみなさんは、リーデルのグラスはすでにいくつか持っているワイン好きの女性達。「グラス・テイスティング」の感想をひとこと聞いてみました。

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「これまで、ワインの生産者や産地の勉強はしたのですが、グラスの形とワインの味のことを考えたことがありませんでした。もうグラスを考えないで、飲むことはできません」

「グラスでワインの味が全く違うので、驚きました。ちゃんとしたグラスで飲むと美味しいのに、間違うともったいないですね」

「一番印象的だったのが、3番のグラスでした。これに赤ワインを入れた時は本当に驚きました」

「何種類かリーデルを持っているので、家でも飲み比べてみたいです」

<リーデル「テイスティング・セミナー」の申し込み方法>

テイスティング・セミナーはオンラインでリーデルのホームページから申し込めます。

http://www.riedel.co.jp/tasting

開催されているショップは「リーデル青山本店」(1〜20名)、「リーデル名古屋店」(1〜20名)、「リーデル伊勢丹新宿店」(1〜5名)、「ワインショップ・エノテカ丸の内店」(1〜10名)の4店舗です。

今回ご紹介したのは「ベーシックコース」で料金はテイスティング内容は同じですが、お持ち帰りのグラス1個で4,860円(グラス代4,320円相当)、4個12,960円(1個分お得!)。「シャンパーニュコース」(1個5,400円、2個8,640円)もあります。なお料金・時間などは取材時点のもです。お申し込みの時は、ホームページでご確認ください。

「リーデル青山本店」ショップ情報
住所:〒107-0062
東京都港区南青山1-1-1
青山ツインタワー東館1F
電話番号:03-3404-4456
営業時間:【平日】11:00~20:00
 【土・祝】10:00~18:00
定休日:日曜・年末年始
アクセス:銀座線・半蔵門線・大江戸線【青山一丁目駅】徒歩1分、南青山方面改札を出て左、中央エスカレーターを上がってすぐ

取材:テーブルライフ編集部

Photo:蓑内絵梨

(リーデル社ホームページから使用した写真はご許可をいただいております)

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