窯元の潜入取材 | 肥前吉田焼

【肥前吉田焼特集2】副久製陶所 〜副島久洋さん〜 

January 05, 2018
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テーブルウェアフェスティバルまであと1ヶ月。東京ドームで出会える窯元をテーブルライフでは事前に取材しました!テーブルウェアフェスティバルに訪れる方は必見です!

注目の肥前吉田焼特集その2!副久(そえきゅう)製陶所 副島久洋(そえじま ひさひろ)さん

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肥前吉田焼(ひぜんよしだやき)は有田焼で有名な佐賀県・有田町から車で30分ほどの佐賀県・嬉野(うれしの)市を中心とした焼き物の総称です。焼き物だけでなく、日本三大美肌の湯「嬉野温泉」と「嬉野茶」も全国的に有名で、工場のまわりにはお茶の段々畑が連なっています。有田をはじめたくさんの産地が存在する肥前地区の中で、古くから日常生活で使ううつわを作り続けている産地。「有田焼」などと異なり、形や様式などこれといった特徴はありません。唯一の特徴は、日常生活に根ざしたうつわを作ること。その精神は今もこの地に受け継がれており、14ある窯元それぞれが思い思いに「今の生活」のためのうつわを作り続けております。

テーブルライフではブレイク寸前の肥前吉田焼の注目窯元に密着取材をすることができました。

今回は副久製陶所の三代目である副島久洋さんです。

副久製陶所の歴史と副島さんの生い立ち

−創業者はどんな方ですか?

(久洋さんの)祖父です。自分は3代目。元々は底土(そこづち)といわれる生地(焼成する前の製品)の造りカスを再生して売る商売をしていました。その後窯元として開業し当時流行していた唐子模様のうつわを製造していたようです。2代目の父は「墨はじき」・「濃み(だみ)」という技法を得意としていました。今の作風もその流れを汲んでいる部分があると思います。

-この窯で働き始めたのはいつですか?

23歳のときです。兄が窯を継がずに自分の道を歩んでいく反面、自分は将来のことをあまり深く考えずに有田工業高校→名古屋芸術大学という陶磁器製造の道を進み始め、卒業と同時に家業に入りました。

それから14年、37歳(H10 ・19年前)で代替わりし、3代目となりました。ですので「なんで後継者になったのか」みたいな理由はないんですよね。(笑)

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副久製陶所の特徴とは

−窯元の特徴は?

実は、とにかく色々な種類のものを作ってきたので、正直どれが特徴なのかよくわからなかったんです。

5年前(2012年)までは自分の代で窯元を辞めようかと思っていた。ごく”自然に”、会社の借金さえ返せれば廃業することを真剣に思っていました。いい意味でも悪い意味でも力が抜けていたんですよね。別に無理して成長しなくてもいいのではないかと。

そんなタイミングで肥前吉田焼窯元協同組合代表理事になったときに「有田焼創業400周年」の事業があり、たくさんの説明会に参加し多くの人と交流する中で存続する方向になっていった経緯があります。

(副久GOSUシリーズ 出典:副久製陶所ホームページ http://soekyu.jp/

ーそれだけ「有田焼創業400周年(ARITA400project)が大きかったということでしょうか。

このプロジェクトで「副久GOSU」シリーズを発表しました。MIJP(Made in Japan project)にも参加。個別ブランディング(会社全体を変えていく)というコンセプトに共感し、プロジェクトに不安はありましたが、チャレンジしてみようと決めました。

そこで特徴のあるものと造ろうという話になって副久GOSUというものが確立したわけですが、そこまでやって「今までは”流行り物”を造ってばかりいた」ことに気づきました。

狙うは海外!

-今後の展開は?

可能性があれば海外にも展開していきたいですね。
ただし副久GOSUシリーズはひとり(副島さんの奥様)しか作れない手作業の作品。あまりにも手がかかりすぎるため数は限定して販売をしているところであり、展開を増やすのは簡単ではありません。

 

今後展開するとすれば、今回作ったブランドイメージを活用し、数量が作れる技法やデザインの開発をしていきたいと考えています。

新たなチャレンジ「吉田焼デザインコンペ」

-吉田焼デザインコンペの生産者としても参加されました

本当に斬新なデザインが入賞されてきて、製作意欲がかき立てられた。陶磁器はどんな形でもできるわけではなく、その形状から作るのが難しいものが一目でわかる。あえて難しいものの商品化にチャレンジをさせて頂いたんです。

(出典:肥前吉田焼ホームページ https://www.yoshidayaki.jp/products/

高台などにひずみがどうしても起こるので、型の調整をするのにかなり苦労しました。

-製作期間はどのくらい?

3ヶ月ないくらい。かなり無理がありました(笑)

-今後はどういう作陶をしていきたいか?

企業理念である「心の満足をあたえられる」商品を作っていくこと。過去にやってきたみたいに、流行りのときにどんどんそのモデルを作るというのは個性が失われてしまい飽きられてしまうと実感しました。

本当にいいものを、少し待って頂いてでも作っていくことが「長続きする」ということでしょう。

人との交流と情報取得。東京へ出て生活も仕事も変わった

-OFFの過ごし方は?

実は本当に趣味らしい趣味がないんですよね。若い頃は野球をしていたけど。。。最近はお酒ですかね。最近(ここ3年ぐらいで)晩酌を始めたばかり。

強いて言えば、陶芸に関していろいろな情報を得たいので他の窯元さんの焼き物を見たりしている。あと気分転換に買い物や映画も行くようになりましたね。

-東京などに出ることは?

それまでは全くと言っていいほど行く機会がなかったのですが、有田焼創業400年事業がきっかけでこの3年は東京に年2回くらいは行くようになりました。そうすると自然と他の作品や人との接点が増え、それはかなり刺激がありましたね。

-先ほどの”自然にやめていこう”というマインドとはかけ離れた状態ですね

そうですね。それによって「情報を得たい」という気持ちが強くなりました。本当に意識が変わっていくことを実感します。

-これからの個展活動は
テーブルウエアフェスティバル(東京ドーム)には肥前吉田焼の組合で出展します。あとは6月に開催されるIFFT(インテリアライフスタイル)展に出展を予定しています。

-「副久GOSU」が買えるお店は?
六本木(ミッドタウン)では何度かテストマーケティングをしてみていますが、うちの商品と相性がいいのか本当に品切れが連続するくらいよく売れました。さすがモダンなものへのアンテナの高い地域だと思います。
また羽田空港国際線ターミナルでは(株)ロス・エンタテインメントさんが運営するKIRI JAPAN DESIGN STORE(キリ ジャパン デザイン ストア)で箸置き・豆皿・小付のセットを販売して頂いています。

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副久製陶所
 http://soekyu.jp/
 佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田丁4099-1
 Tel:0954-43-9606
 Fax:0954-43-9604
 Mail:info@soekyu.jp

[取材・編集 テーブルライフ編集部]

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