蒼空陶路〜銭本眞理さんの波斯(ペルシャ)陶展〜

銭本眞理さんの個展へ行って来ました

こんにちは、いち狼です。

今回は、一年ほど前に出逢った陶芸家さん、銭本眞理(ぜにもと まり)さんの紹介です。皆さんはペルシャブルーは好きですか? かくいう僕もうつわにハマり始めた頃は、ペルシャブルーのその鮮烈な色に随分惹かれた口なのですが、銭本さんのブルーはそれとはまた一味も二味も違った色合いです。是非、開催中の織部下北沢店まで足を運んで、直に触って見てもらえたらと思います…!

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織部下北沢店

下北沢駅から、徒歩5分前後にあるギャラリー兼カフェ。常設の展示にもかなり拘っていて、コーヒーなどを楽しみながら、うつわを鑑賞出来るのが楽しい。色々なうつわで提供される料理やドリンクにも注目したいところ。かき氷がちょっとした名物で、夏場にはかき氷目当てで来るお客さんも多数いるそうです。

住所:東京都世田谷区北沢2-2-3-1F 
電話番号:03-5432-9068
営業時間:11:00~19:00(年中無休)
オンラインショップ:https://shop.oribe-minoyaki.com

銭本さんのうつわ

僕がうつわにハマり始めた頃、ペルシャブルーに惹かれた、と前述しましたが、結局のところ手には取るものの、購入せずに今の今まで来てしまいました(この嘘つき野郎、と石を投げないでやって下さい)。。と言うものの、僕はどちらかと言うと和食を作ることが多いのですが、いわゆる一般的なペルシャブルーだと、どうしても色が鮮やか(勝ち)すぎて、個人的にうまく料理を盛るイメージが湧かないんですね。洋食だとしても、ちょっと乗せるものを考えてしまうような、、うつわ単体で見れば十分美しいんですけど。

そういう点から見ていくと、銭本さんのペルシャブルーは、凄く落ち着いた色というか、アピールはしつつも、前に出すぎず出しゃばらない。青銅のような渋みも感じられます。

「小さい頃からうつわが好きで、親に自分の為のご飯茶碗を買ってもらうのが楽しみだった」と話す銭本さん。旅行先では、必ずお土産に買って帰って来るほどのうつわ好きだったらしく、中でも織部焼(正しくは古田織部本人の精神)にかなり影響を受けたそう。
確かに素人目から見ても、織部焼を彷彿させるようなうつわがチラホラ。そういった銭本さんなりの織部に対するアプローチが、”和食を盛りたい”と思わせてくれるペルシャブルーのうつわに結びついているのではないか、と僕は勝手に推測しているのですが、皆さんはどう感じますか?

また銭本さんは、実際に中央アジアにまで足を運んで、”生の”ペルシャのうつわに触れてくるほどの陶魂っぷり。造形に関しても、そういう裏付けがあってのことなのだなぁと、なおさら感心してしまいました。だって、そこまでやらないでしょう普通(笑)

〜筆者所蔵のうつわ紹介〜

ペルシャブルーの話ばかりになってしまいましたが、銭本さんの作るうつわの特徴の一つに、”蛍手”という技法を使ったうつわがあり、それがこのぐい呑み。写真では分かりにくいですが、小さな穴のような点々が沢山あります。

ちなみにこのうつわも同じく、蛍手の抹茶碗。ポツポツと穴のようなものが…

光にかざすと、このように透過します。なんとも幻想的。

銭本さんは実はずっと前から、このペルシャのうつわをやりたかったそうなのですが、ここに行き着くまでには随分紆余曲折あったそうで、「やっと自分らしい作品が出せるようになった」との事。僕は去年知り合ったばかりで、”ペルシャのうつわの陶芸家”という(完成された)イメージが強かったせいか、この作風をやり始めたのがここ2〜3年ぐらいだと言うから、本当に驚かされるばかりです。。
今回の展示も、前回見た時とも少し印象が変わっているように感じましたし、まだまだ進化の途中なんでしょうね。今後の作品が楽しみです。

銭本さんとツーショット。展示は5月26日(日)まで。
おともにぜひぜにもとを☆

銭本 眞理 / Zenimoto Mari

陶歴:
2008年 岡山県加賀郡吉備中央町に青馬窯築窯
2015年 広島芸術センター
2015年 天満屋岡山店
2016年 ギャラリー栂
2017年 ベルリン陶磁美術館 など

Facebook: https://www.facebook.com/zenimoto.mari
青馬窯陶芸教室

所在地:岡山県加賀郡吉備中央町上野2280-7
電話番号:080-5610-6474
E-Mail:seibagama@gmail.com
Facebook: http://www.facebook.com/seibagamatougeikyoushitu

いち狼 (ichirou)

1983年生まれ。BGMなども手掛けるシンガーソングライター。
酒好き・料理好き・もてなし好きが高じて、うつわに興味を持つ。陶芸家との直接的な出逢いをきっかけに、ジワジワとうつわの収集を始める。
【使えるアート】【顔の見えるうつわ】【会いに行けるアイドル(作家)】などを提唱し、特に若い世代のうつわに対する先入観、並びに価値観の改変をすべく、日々、布陶活動に務める。外出時ぐい呑みなどを持ち歩き、居酒屋などで使って楽しむ、うつわ集団“わんげる部”の部長。
Facebook: https://www.facebook.com/wangeru/