【陶器市レポート】伊万里窯元市へ行ってきました! 里山散策しながらうつわ探し

伊万里窯元市へ行ってみた!ハイキング気分でうつわのお買い物ができる素敵なイベントでした

今回は、テーブルライフスタッフの陶器市レポートをお届けします。

先日のゴールデンウィークに訪れた「伊万里窯元市」について。
伊万里焼というと、絢爛豪華な古伊万里のイメージがありますが、
現地は思いのほか静かでゆったりとした時間が流れていました。

この記事では、伊万里窯元市に参加している店舗の様子や見どころなども詳しく解説。
まだ行ったことがない、どんなところか気になる、そんな方はぜひ参考にお読み下さいね。

九州はたくさんの焼き物産地があるので、他の陶器市と合わせて旅するのもおすすめですよ!

伊万里窯元市とは

伊万里窯元市は、佐賀県伊万里市大川内山で毎年ゴールデンウィークに開催される陶器市です。

約30軒の窯元が参加し、焼き物が通常より2割から5割程度安く購入することができます。
店舗によっては、掘り出し物やアウトレット品なども販売。

伝統的な豪華な花器や日常使いできるモダンなうつわまで幅広い品ぞろえが魅力です。
また、伝統的な古い街並みを散策しながら窯元をめぐる、ここならではのスタイルの陶器市です。

◆公式ホームページ:https://imari-ookawachiyama.com/

大川内山ってどんなところ どうして秘窯の里なの?


伊万里窯元市の開催場所は、大川内山(おおかわうちやま)。
長崎空港から車で1時間ちょっとの山間にある集落です。

大川内山は、江戸時代に佐賀藩(鍋島家)の御用窯(ごようがま)が置かれていた土地。
将軍家や大名などへ献上する高品質な焼き物、現在の「鍋島焼」が作られていました。

山の中で作られていた理由は、高度な技術が外に漏れないため。
三方が山に囲まれ、ふもとの入口に関所を設けた大川内山は、秘密を守るのに最適な場所だったのです。
実際に訪れてみて「秘窯(ひよう)の里」と言われる理由がよく分かりました。

伊万里窯元市に行ってきました! ハイキング感覚でうつわ探し

私たちが訪れたのは、ゴールデンウィークの谷間の平日。
そのせいか、混雑しすぎずほどよいにぎわい。
じっくりとうつわ選びを楽しむことができました!
ここからは、私が回った順番に見どころをピックアップします。

大川内山の歩き方は、駐車場のあるふもとから順番に見ていくのが定番。
お店の数は30程度なので、半日あれば全部回れますよ。

伊万里窯元市で訪れた素敵なお店

青山窯

テーブルライフでも取扱のある青山窯さん。
モダンなデザインと上品な雰囲気が特徴です。
伝統的でありながら、今の暮らしにも使いやすいうつわはどれも魅力的。

私は、前から気になっていた伝統模様が描かれた壺型の小皿を購入。
マットな部分と光沢のある部分の色の濃淡がシックで素敵!
和菓子やクッキーなどにいいですし、ミニグラスを置いてコースターにも使えます。
ティータイムが楽しみになるうつわです。

お店の奥にはアウトレットコーナーがあり、魅力的な品ぞろえ!

【青山窯】
営業時間:9:30~17:00
定休日:なし
URL:https://seizan.shop-pro.jp/

瀬兵窯(せひょうがま)

こちらもテーブルライフで取扱のある窯元・瀬兵窯さん。
大胆な筆使いが特徴の刷毛目のうつわのほか、細かい絵付けの鍋島焼などさまざまなタイプのうつわが木造の店内に並びます。

まあまあ歩いたので、店内奥のカフェで一休み。
ドリンクとスイーツのセットをいただきました。
古民家を改装した開放的な店内は、とてもくつろげました。

さらに、向かいのギャラリーでは、華やかな絵付けの古伊万里風のうつわを中心に販売。
古民家の内装になじむディスプレイも素敵でした!

【瀬兵窯】
営業時間:9:00~17:30
定休日:なし
URL:https://imariyaki.jp/

畑萬陶苑(はたまんとうえん)

ふもとの入口、関所の看板の近くにあるお店です。
淡いブルーが美しい青磁のうつわや繊細な絵付けの鍋島焼など、高級感のある品ぞろえ。
店内はギャラリーのようで、目の保養になります。

アウトレットとは思えないエレガントなうつわたち。テーブルコーディネートに使いたいものばかりでした。

窯元市期間中は、お店の裏側でアウトレットを開催。
他にはない珍しいデザインのうつわが多く、定価よりもかなりお得な価格で販売!
私はシックなグリーンのマグカップを購入しました。

波佐見の林九郎窯の古伊万里のうつわと合わせてみました。

【畑萬陶苑】
営業時間:9:00~17:00
定休日:不定休、元日
URL:https://hataman.jp/

太一郎窯(たいちろうがま)

このお店は、奥行きがあり品ぞろえがとても豊富。
うつわからオブジェまでさまざまなものがあり、ディスプレイも素敵でした。
使われなくなった窯に、商品を展示しているのも窯元ならではですね。

正面のガラスケースには、プロゴルファー・青木功さんの喜寿に贈られた写真が展示されていました。
オリジナル商品や特注品などをたくさん手がけているようです。

【太一郎窯】
営業時間:9:00~17:30
定休日:なし
URL:https://taichiro.net/

伊万里焼せいら

せいらでは、日常使いから、高級な大型の花器までさまざまなタイプのうつわを販売。
都内の百貨店などで見かける、ひょうたんのモチーフのうつわなど人気の商品も扱っています。

また、店内のテーブルコーディネートも素敵。
ナプキンワークもこだわっていて、おもてなしの参考になりますね。

また、陶器市期間中は、店外で「徳七窯」のうつわを販売。
いちごなどフルーツをモチーフにしたカワイイうつわなどがSALE価格になっていました!

【伊万里焼せいら】
営業時間:9:30〜17:00
定休日:元旦のみ
URL:https://imariyaki-seira.com/

虎仙窯(こせんがま)

鍋島焼を象徴する、淡いブルーのうつわが充実。
和食だけでなく、洋食や中華にもあうので、ふだん使いに便利そう。
形やサイズのバリエーションも多く、店外のセールコーナーはにぎわっていました。

個人的には、現代アートのようなデザインのものなど、ここでしか出会えないうつわが気になりました。
店内の一角にはカフェスペースがあり、散策の休憩に良さそう。

【虎仙窯】
営業時間:10:00~17:00
定休日:なし
URL:https://imari-kosengama.com/

是隆窯(ぜりゅうがま)

このお店の特徴は、なんといっても桜のうつわが充実していること。
こじんまりとした店内には、さまざまな色やデザインの桜柄のうつわがびっしりと並んでおり、ちょっとしたお花見気分。


桜はおめでたいイメージがあり、形もかわいいので春以外に使うのもいいなと感じました。
ちなみに、六本木の東京ミッドタウンそば「ギャレリア645」でも取扱があるそうですよ。

【是隆窯】
URL:https://www.instagram.com/zeryugama/

うつわショッピングだけじゃもったいない!焼き物の町ならではの見どころスポット

〇町中で見られるさまざまな焼き物


大川内山では、お店以外でもさまざまな焼き物を目にすることができます。
例えば、駐車場近くにある地図やお手洗いの壁はタイルになっています。
アートが当たり前のように屋外に展示されているのは、焼き物の街ならではの光景ですね。

橋の欄干に豪華な壺が!

〇鍋島藩窯公園

ふもとから窯元を散策し、お店が途切れた辺りにある緑豊かな公園。
園内の川沿いには、伊万里焼のタイルが埋め込まれた壁が連なっており、鮮やかな図柄と新緑の組み合わせがとても美しく癒やされました。
秋の紅葉の季節に訪れるのも良さそうです。

〇登り窯

先ほどの公園から程近くにある登り窯は、平成2年に観光用として再現されました。
散策路沿いにあるので、誰でも自由に見ることができます。
現在は、若手に技術を伝えるため、毎年9月頃に共同で使用しているそうですよ。

〇どこでも聞こえる 伊万里焼の風鈴

お店巡りをしていると、絶えず聞こえてくるのが風鈴の音。
というのも、ほとんどのお店で風鈴を扱っているのです。

お店や窯元によって、描かれている柄が異なるので見るだけでも楽しいです。
また、サイズも数種類あり、大きなものは音も大きくよく響きます。
静かな里山のBGMですね。

伊万里窯元市へ行ってみて

美しい陶器の茶筒。お茶や茶器とセットでプレゼントにするのも良さそう。

伊万里窯元市は、約30の窯元が参加する決して大規模ではない陶器市です。
だからこそ、じっくりうつわを選ぶことができますし、お店の方ともゆっくりと会話を楽しめます。
あるお店では、カフェでもないのに「コーヒーでもいかがですか?」と声を掛けていただき、何だかほっこりしました。

また、日本の原風景のような里山散策をしながらうつわショッピングができるのも魅力。
道も分かりやすく、もと来た道を戻ればいいので、行きに下見をして帰りにお買い物という楽しみ方もできますよ。

この辺りのお店は、原則無休なので、イベントがない時に行くのもおすすめ。
九州観光のスケジュールに入れて欲しい、隠れ家的なスポットです。
ぜひ、歩きやすい服装で訪れてみて下さい。

こちらもおすすめ! テーブルライフで買える伊万里焼

青山窯

かけわけ 波カップ 外青

美しいブルーに唐草模様のレリーフが際立つ、モダンなうつわ。
青磁・白磁と色の異なる、釉薬を分けて掛ける、「掛け分け」という技法を使った“かけわけ”シリーズのフリーカップです。

ソフトドリンクからアルコールまで、温かいものから冷たいものまでさまざまなドリンクに使えるのが便利。
使っていないときは、お花を生けて一輪挿しとして使うのもいいですね。
和室はもちろん、洋室のインテリアにもなじむデザインです。

鍋島小皿 黒呉須小花雪輪皿(小)

江戸時代から伝わる「雪の結晶」をモチーフとした小皿。
黒のラインと真ん中の小さなお花がアクセントにきいています。
お刺身の醤油皿や取り皿に、和菓子やマカロンなどスイーツ用にあると便利なうつわですね。

上品な小皿は、おもてなしにもふさわしいアイテム。
色違いの青や赤と合わせて使うのもいいですよ。

瀬兵窯

黒刷毛目変形4寸鉢 黒

勢いのある筆使いで描かれた刷毛目のうつわ。
どんぶりや麺鉢として使うのもよし、煮物やサラダを盛り付けても様になります。

金彩が入っているので、ハレの日や来客用のうつわにもいいですね。
色違いの赤とペアでプレゼントにするのもおすすめです。

KUSAKI Container 5色セット

有田焼の企画販売会社・ヤマト陶磁器とコラボレーションしてできたうつわです。

特殊な陶土を使い、さまざまな植物の染料で染めた特別な逸品です。
この商品は、円柱型のContainer5個セット。
色は、5種類。やまもも、五倍子(ごばいし)、藍、蘇芳(すおう)、ログウッドと、原料になった植物の名前が付いています。

小鉢やボウルとして、またはコーヒーやスープカップのようにさまざまな使い方ができます。
見た目が美しいので、出したままでも素敵!
小物入れや花器としてインテリアアイテムにするのもいいですね。

〔取材・編集:テーブルライフ編集部〕