波佐見焼

波佐見焼の歴史と魅力

波佐見焼(はさみやき)は、長崎県東彼杵郡波佐見町付近で産する陶磁器です。
その始まりは、朝鮮出兵後の慶長4年(1599年)にさかのぼります。大村藩主の大村喜前が現在の波佐見町に登り窯を築き、朝鮮から連れ帰った陶工に陶器を焼かせたのが起源と言われています。

やがて村内から質の良い土が発見され、陶器ではなく主に青磁が生産されるようにな、また、天草砥石を用いた白磁生産も始まり、皿山役所が設置されて大量生産が奨励されます。その主力商品は大衆向けの生活雑器であり、染付に関しては江戸後期に日本で最大の生産地となりました。現在でも窯の跡が数多く残っており、なかでも中尾上登窯は全長約160メートルと、世界最大級の規模を誇っています。

有名な波佐見焼の製品として、「くらわんか椀」があります。これは江戸時代に生産された磁器で、簡素な絵柄の染付が施されています。江戸時代、大阪の淀川で客船のお客相手に飲食物を売っていた商人が「餅くらわんか、酒くらわんか」と声をかけていたことから名付けられたといわれています。それまで富裕層だけのものだった磁器が、手頃な価格で提供され、全国の多くの庶民にまで普及しました。庶民の暮らしに根付いた雑器の美は、多くの愛好者を惹きつけてやまない魅力に溢れています。

オランダ貿易を通じて盛んに輸出された「コンプラ瓶」もまた、よく知られた波佐見焼のひとつです。長崎の仲買い商人を意味するコンプラドールが名前の由来。安定性のある徳利の形をした染付白磁の瓶で、JAPANSCHZAKY(日本の酒)、JAPANSCHZOYA(日本の醤油)、とオランダ語で書かれ、酒や醤油の容器として利用されました。フランス皇帝ルイ14世や、ロシアの文豪トルストイに愛用されていたといわれています。

波佐見焼はもともと大量に生産された庶民の器ですが、時代や暮らしの変化に合わせて改良を重ねながら、伝統の技として今も受け継がれています。有田焼、伊万里焼のかげに隠れた存在でしたが、最近では有名ブランドも現れて人気の産地となっています。
(タイトル写真出典:http://hakusan-porcelain.co.jp/products-kasanejima.html)

波佐見焼で人気のブランド5選

「白山陶器」

白磁の魅力を活かした、波佐見焼の人気ブランド。青山にも直営ショップがあります。

公式ホームページ:http://hakusan-porcelain.co.jp/index.html

hasami.hakusan02


h+(エイチプラス)

3人のインテリアスタイリストと雑貨プランナーがプロデュースする、堀江陶器のブランド。シンプルなのに存在感があって、コーディネートの雰囲気を決める器たちです。

公式ホームページ:http://horie-tk.jp/h-plus/products/
hasami.h+


HASAMI(はさみ)

オシャレな色とりどりの食器や、アメリカンなテイストなど遊びを感じるテイストながら、オーブンから食卓へ直接出せるなど実用的です。

公式ホームページ:http://www.hasamiyaki.jp/hasami/
hasami.hasami


essence(エッセンス)

おしゃれな素朴さが魅力的なブランドです。HPも楽しいので、見てみてください。

公式ホームページ:http://www.essenceoflife.jp/
hasami.essence


松原工房(まつばらこうぼう)

ポップな柄なのに主張しすぎない、普段使いが楽しくなる器たちです。

公式ホームページ:http://matubarakoubou.com/
hasami.matubarakoubou