メキシコで活躍中の日本人陶芸家・奥野宏さん インタビュー

こんにちは、テーブルライフプランナーのNAYUMI@メキシコ在住です。

今回はメキシコで活躍されている日本人陶芸家・奥野宏さんをご紹介致します!

【奥野宏・陶歴】
 ・1984年 岐阜県本巣郡北方町に生まれる。
・北方町立幼稚園 つるつる泥ダンゴ作りにはまる。 
・北方町立小中学校  Jリーグ開幕ブーム。サッカーにはまる。ブラックバス釣りにも少しはまる。広告の裏に絵(落書き...)を描いて絵本を作る。父(公務員)がササッと描いてくれた裸の女性に衝撃を受ける。 
・岐阜県立加納高校(普通科) Hi STANDARD, MONGOL800, B DASH,BRAHMANメロコアにはまる。中学同級生とバンド『ペレ』結成。ギターをやる。成績が学年最下位になる。母の影響で影響で絵を描き始める。画家、久保田勝己先生に師事。
 ・愛知教育大学(障害教育課程・造形文化コース/陶芸専攻)中島晴美先生に陶芸を教わる。高校同級生とレゲエのサウンド『Country Road』結成。ジャマイカ旅行。日本陶芸産地一人旅。陶芸家  村久木 孝志と出会い陶芸を生業に決める。村久木氏に鯉江 良二氏に会えと言われる。 
・多治見市陶磁器意匠研究所  鯉江 良二氏、中島 勝乃利氏の出会いでメキシコ行を決める。 
・2009年 メキシコに渡る。 
・2012年 陶芸アートスペース taller mono rojoを始める。陶芸作品制作を基本に絵描き、料理人、植物、音楽とのコラボレート、芸術家のたまり場作りなど陶芸の可能性を模索中。 
・2018年 絵を描き始める。

工房はサンタ・マリア・ラ・リベラという昔ながらの建物が並ぶ風紀地区の中にあります。

メキシコにやってきて9年。メキシコと陶芸という関係を探りながら色々とお話を伺いました!

ー 陶芸を始めたいきさつについて教えてください。

モノを作る仕事、飽きない仕事がしたかったんです。昔NHKの番組で見た職人特集で家や道具を作る姿が格好良いと思ったのと、インタビューにも半ば無視しながら無骨に答えながら黙々とモノ作りをしている表情が魅力的に映り、職人への憧れがあったのも理由の1つです。

その他幼稚園の時にツルツル泥団子作りにハマった体験や幼少期は広告の裏に絵を描いて本にしたり、母と恐竜の模型を作ったりして遊んだ経験、父が風呂上がりにサラッと広告に描いた裸の女性の絵にも衝撃を受けたのは今の陶芸人生に多大な影響を与えていますね。

通っていた高校には美術科もあり大学は何か美術関係が良いなと思いはじめました。でも中学生まではJリーグ開幕ブームに乗ってサッカーにハマり、卒業間際はパンク音楽にのめり込み、バンドを結成して日頃のモヤモヤを発散していましたね。(笑) その時は音楽が人を感動させる力にも魅了されましたが、自分は違う方法、モノ作りで人を喜ばせれたり感動させたり、まず自分が飽きずに出来る仕事がないか考え始めたんです。母親が近所の久保田勝己先生に師事していたこともあり、自分も美術系の大学を目指しました。

でも私立の美術大学は高いので国立であれば行って良しという親の意見もあり、愛知教育大学の造形文化コースに入学しガラス、デザイン・繊維・金属・油絵等の美術一般の授業を一通り受け、最後の2年間陶器を専門に中島晴美先生のもとで学びました。先生からいただいた「生きがい探すより職探せ」の就活シーズンでの言葉に驚きつつもその後結果「生きがい」を探すことになりました(笑)

(奥野さん作の素敵なカップでコーヒーをいただきました)

ー 陶芸家になろうと思ったきっかは何ですか?

大学在学中、陶芸を始めるにあたり東北以外のいくつかの産地を2ヶ月ほど巡りました。 その旅の中で出会った人間国宝・徳田八十吉氏を師に持つ村久木たかし氏に石川県小松市で出会うことができたんです。農家を改装した工房で野菜を育てながら、近所の子供に陶芸を教え、ディジュリドゥという管楽器を陶器で作りコンサートを開いたり、海の家で飲んだくれたり、、、こんな職業があるのか!と驚きながらも、生きがいのある仕事と思い、それを機に陶芸家になろうと思いました。その後村久木氏の勧めで鯉江良二先生、中島勝乃利氏に出会い、陶芸を生業に生きて行こうと決めました。

ー 何故メキシコを選んだのですか?

メキシコに行こうとはじめから思っていたわけではありませんでした。 多治見市意匠研究所の先輩にメキシコのトルーカという町にあるMOA陶芸学校を紹介して頂き、同時に語学留学の奨学金を申請しメキシコに行くことになりました。 前々からレゲエをきっかけにカリブ、アメリカ大陸の文化に興味があったので、良いチャンスだと思いメキシコ行きを決めました。

ー 参考にしている作風やデザインはありますか?

参考というものは特にありませんが、ごてごてした縄文土器・メキシコの先住民のおちゃめな土器・アフリカの土器・仮面、、、など土器が好きです。またコロンビア、ペルーの昔の土器も素敵ですね。

ー これまで何か失敗談はありますか?

窯焚き中に寝過ごして作品が全滅、配合間違い、怪我、締め切りぎりぎりによる数々のミス。。。失敗だらけです(笑)

ー ご家族が増えたこと(昨年お嬢さんが誕生)で生活や人生観は変わりましたか?

猫2匹、犬1匹、娘1人、徐々に家族が増え、友達も増え楽しい毎日を送っています。

ーOFFはどのように過ごされていますか?またご趣味はありますか?

基本的にOFFはないです。陶芸が趣味なので、、、(笑)

ー 今後の展望&活動予定を教えてください

自分の陶器の店・ギャラリーを作りたいです。またメキシコと日本の陶器の輸出入に関わる仕事もしたいと考えています。

そのようにおっしゃっていた奥野さんですが、先日工房内にギャラリーをオープンされました!

【ギャラリーの様子】

奥野さんの作品の他、工房内で活動されているメキシコの陶芸家さんやメキシコの画家さんの作品も展示されています。

ギャラリー内にはネコちゃんの姿も。絵になります。

【工房の様子】

工房内には大きな窯があります。奥の作業場では工房内で活動されているメキシコの陶芸家さんお二人が作業をされていました。

轆轤台や釉薬の見本などもあります。

一般向けに陶芸教室も主催されています。実は私も昨年から通い始めておりまして、基本の練りだけでも本当に難しい。。。改めて陶芸家さんたちの技術力の凄さと作品作りの大変さを実感しています。

奥野さんの工房には連日見学希望の方がいらっしゃいます。私がレッスンを受けている間にもメキシコ人のみならずヨーロッパや南米の方々もいらっしゃり、工房内はインターナショナルな環境。(お互いの国の話なども出たりして、色々とお話ができるのも楽しみの1つだったりします^^)

こちらの工房・ギャラリーは事前に連絡すれば見学可能とのことです。(詳しくは下記のHP等をご覧ください)

陶芸を通じ日本とメキシコの架け橋として、奥野さんの今後のご活躍を期待しております!

◆ HP : https://ceramicah.wixsite.com/hiroshiokuno
◆Facebook:https://www.facebook.com/hiroshi.okuno.79
◆Instagram:https://www.instagram.com/hiroshiokunoceramica/
◆ 奥野さんの作品が集まったページ:http://monorojo.cc/


テーブルライフプランナー・NAYUMI

大学卒業後、外資系航空会社就職をきっかけに海外生活開始。結婚後も日本と海外を行き来しながら、これまで世界5か国(シンガポール・フランス・イタリア・トルコ・ペルー)で生活し、語学・料理・異文化を学ぶ。 帰国後は食空間プロデューサー・山本侑貴子氏に師事し、テーブルコーディネートのインストラクター資格を取得。 住宅展示場でのテーブルコーディネート、テーブルコーディネートレッスン、自宅でのお料理レッスン、食器と料理のスタイリング、 コラム執筆など多方面で活動。またファッション好きが高じ、光文社雑誌STORYでブロガー(デジタリスト1期生)としても活動中。 9歳・8歳、女児の母。現在6か国目となるメキシコ在住。

ブログ : https://storyweb.jp/digitalist/author/hosoyanayumi/
Instagram : @belmomentodinayumi