窯元の潜入取材

【波佐見焼特集1】一龍陶苑 一瀬龍宏さんインタビュー

February 06, 2018

1年に1度の器の祭典、テーブルウエアフェスティバルが開幕しましたね!東京ドームで出会える窯元をテーブルライフでは事前に取材してまいりました。テーブルウェアフェスティバルに訪れる方は必見です!

【関連記事】
通販で買えるオススメ波佐見焼陶器窯元 10選+1選

波佐見焼
一龍陶苑 一瀬龍宏さん

今回は近年人気上昇中の波佐見焼をピックアップ!第一弾は江戸時代から続く窯元で一龍陶苑の一瀬龍宏さんにお話を伺いました。

150年以上続く一龍陶苑の歴史と一瀬さんについて

-創業はいつですか?

創業は慶応元年(1865年)と言われているのですが、最近見つかった文献から実際は約150年よりもっと前、つまり江戸後期に中尾山で創業、私で7代目です。元々大村藩の支援によって雑器(大衆向けの日用食器)を町全体で効率よく生産していました。そして1940年から50年ごろにかけて近代化の量産化を受け、中尾山にあった窯元たちが次第にふもとの方にも新しく工房を作るようになりました。うちの会社もその1つです。

-一瀬さんについてお聞かせ下さい

幼少から器を見て育ったものの、窯業には全く興味がありませんでした。普通に都内の大学へ進学していたのですが、ちょうどバブル期と重なったことで大学生活はかなり楽しんでいましたね(笑)でもこれではまずいと思い、卒業後は有田の窯業大学へ2年間通い、ここで初めて窯業に触れました。

現在自社ブランドは全て私がデザインしています。

波佐見焼の進化、そして人気となった現在

-波佐見焼ブランドを売り出したきっかけは?またそれに伴い変化はありましたか?

以前波佐見焼は相手の趣向に合わせたデザイン主流で有田焼の一部として扱われてきました。ですが、10年前の牛肉の産地偽装問題を契機に産地を明記しなくてはならず、有田という名前で売ることができなくなってしまったため波佐見焼ブランドとして売り出すことになったんです。

11年前のテーブルウエアフェスティバルで初めて波佐見焼という名前を発表しました。ですが、そのとき行ったアンケートでは認知度ゼロという状態。これが自分たちにとって波佐見焼とは何なのかという考えるきっかけになりました。そして時代に沿ったブランディング、町全体の工房が一丸となって努力してきたのがブランド化に成功したのではないかと思っています。また近年の北欧ブーム・白ブームも相まって、波佐見焼の知名度が上がってきたというのも大きいです。

そのお陰でここ数年テーブルウエアフェスティバルでは同じ場所・規模で出展していますが、売り上げは年々上がっていますね。

24時間稼動の工房、そこから生まれる人気シリーズ

-工房・ギャラリーについて教えて下さい
工房では2008年のリーマンショックの3ヶ月前から窯を24時間体制で稼動していて、1日だいたい7000~8000ピース生産しています。従業員は47名で分業制となっています。

また中尾山には自社ブランドを展示販売している「ギャラリーくらふと龍」があって、人気のshinogi(しのぎ)シリーズをはじめ、たくさんの器が並んでいます。

狙うは若い層

-海外展開はされていますか?

自社では海外展開はしていませんが、オファーがあれば受けるというスタンスを取っています。実は
ここ最近韓国・中国へ輸出しました。時にはわざわざ波佐見まで出向いて買い付けに来る外国の方もいらっしゃいます。(取材前日も韓国からわざわざ中尾山まで買い付けに来ていたそうです)
なのでしっかりものづくりをしているというスタンスをきちんと取っていれば、自然と海外からもオファーが来るものだと思っています。

また波佐見はいい意味で中途半端で小回りが利く、さらにある程度量産できるという点で、このようなエリアが全国的に少ないこともあってか、海外からモノ作りという点を見るとメリットはとても大きく、それを十分生かせるとこれまでの経験を通じて実感しています。

-現在の課題点は何かありますか?

お金をかけている割にはまだまだプロモーションが足りない気がします。せっかく開催したイベントもやったことで満足して終わってしまい、なかなか次に繋いでいない気がします。今後もう少しプロモーション強化が必要ですね。

-今後の目標を教えて下さい

「カジュアルリッチ」・「スタンダードカジュアル」。若い層をターゲットにしたプロモーション活動を積極的に行っていくことで、「波佐見に行けば何とかしてもらえる」「何かが見つかる」というポジション作りができればいいですし、またものづくりを介在としてPRできる拠点作りをしていきたいと考えています。

一龍陶苑さんは現在東京ドームで開催中のテーブルウエアフェスティバル2018・波佐見焼ブースで出展されています。今回ご紹介したプレートの他にもたくさんの器が展示されていて、今なら実物を手に取って見ることができるチャンス!この機会に是非足を運んでみて下さいね!

◆テーブルウェアフェスティバルHP:
https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/


shinogiシリーズに新しく楕円型のプレートも登場!


こちらはカラーストライプシリーズ。

一龍陶苑
 〒859-3712
 長崎県東彼杵郡波佐見町中尾郷975
 Tel : 0956-85-2037 Fax : 0956-85-2024
 E-mail : 1ryu@1ryu.jp
 HP: http://www.1ryu.jp/index.html

[取材・編集 テーブルライフ編集部]

Latest Columns