知っているようで知らない「和食器の種類」を解説!

和食器の種類は色々あるけど、何に使うのか分からない そんな疑問にお答えします

和食器は洋食器にくらべると、形や大きさも様々で種類が豊富です。見たことはあるけれど、何に使うのか分からないものもあるのではありませんか?
今回は、和食器の種類別に、基本的な用途をご紹介します。使い方を知ることで、和食器に関心を持っていただければ嬉しいです。日本ならではの和食器を積極的に取り入れて、毎日の食事を楽しんでみませんか。

食器の種類と用途

◆飯碗(ご飯茶碗)・丼

米飯を食べるためのうつわ。陶磁器製がほとんどですが、漆のものもあります。飯碗より一回り程度大きい「丼」は、麺類や汁物にも使うことができ便利です。蓋がついているものは、おもてなし用にも使えます。

波佐見焼 天龍製陶所 花 飯碗 赤い花

◆汁椀

味噌汁やお吸い物などに使う、口径12㎝程度の椀。ウレタン塗装の手頃なものから、本格的な漆器まで様々な素材のものがあります。蓋付の吸物椀は、お正月等のハレの日やおもてなしに使います。

三義漆器 メープル キヌタ汁椀 ナチュラル



◆箸置

様々なデザインと色彩のものがあり、食卓のアクセントになるアイテムです。値段も手ごろなものが多いので、季節に応じたものを複数持っていると便利です。

有田焼 箸置 錦レモン

↑写真は著者私物の箸置の一部。羽子板など季節感のあるもの、オールシーズン使えるもの両方持っていると便利です。

◆平皿

・大皿
尺皿ともいい、一尺の大きさの皿で直径30㎝前後のものを指します。通常、テーブルの中央に置いて取り分ける料理に使用しますが、最近ではワンプレートとして使うこともあります。また、深さがあれば麺にも使えます。

均窯トルコブルー変形大皿28.0cm

・中皿
五寸皿、六寸皿、七寸皿と言われるもの。1寸約3㎝なので、15~21㎝の日常よく使われるサイズの皿をいいます。1人分の主菜を盛り付ける、または取り皿としても使えます。

有田焼 銘々皿 錦鶴

・小皿・豆皿
三寸皿、四寸皿の直径12㎝以下のお皿のこと。取り皿や醤油皿、薬味用に使用します。その他、和菓子を取り分ける銘々皿としてなど、幅広く使えます。形やデザインが豊富で、価格も比較的手頃なので、バラでそろえると楽しめます。3~5㎝程度の豆皿は箸置きにもなります。

キハラ KOMON 豆皿5枚揃 吉祥柄

・角皿
正方形の四方皿は、お刺身や天ぷらなどを盛り付けるのに適しています。また一辺が長い長角皿は、焼魚や前菜などに使います。どんな料理も様になるので、あると重宝します。

波佐見焼 natural69 swatch 長角皿


◆鉢

・大鉢
大皿同様、主菜や取り分け用の料理を盛り付けるのに使います。

美濃焼 タコ唐草 三つ足大鉢

・小鉢
皿より深みのあるうつわのこと。深さは商品によって様々で、深めのものは鍋料理の取り皿や煮物など汁物につかいます。また、浅めのものには、和え物、酢の物、お浸し等、1人分の副菜を盛り付けるのに適しています。

市松模様の石目織部格子 楕円鉢

◆向付(むこうつけ)

向付とは、本来は懐石の料理とうつわのことをいいます。茶懐石の時に折敷(おしき)と呼ばれる膳に左に飯碗、右に汁椀が置かれ、その向こうに置かれることから名づけられました。食事の最初から最後まで置かれる器なので、季節感のある材質や形、彩りを意識して選ぶといいですね。


緑交趾鶴 扇皿 【 特選向付 】



◆蓋物(ふたもの)

茶碗蒸しなど料理が冷めないように使う蓋付きのうつわ。夏に器ごと冷やして冷たい前菜を入れたりすることもあります。

波佐見焼 康創窯 錦丸紋 小蓋物

◆そば猪口

直径5~7㎝で、高さは5㎝前後の下すぼみの筒型のうつわ。そば用の汁入れですが、小鉢や湯呑みに使うこともできます。

波佐見焼 藍屋 絵変り カップ 5客セット (化粧箱入)



◆茶器

・急須・土瓶
取手のつるが上についているのが土瓶、取手が横についているのが急須。どちらもお茶を入れる道具で、土瓶はたっぷりいただく番茶用、急須は煎茶や玉露などに使います。

波佐見焼 光玉陶苑 ポット (ステンレス茶こし付) 細十草

・湯呑み茶碗
日本茶、中国茶などを飲むためのうつわ。お茶は種類によって温度が違うので、湯呑みの厚さやサイズは様々。熱湯で入れるほうじ茶や、番茶等は厚手のものが適しています。また、煎茶や玉露などを飲む際は、「汲み出し茶碗」を使ってお湯を冷まします。

白山陶器 ゆのみ 白磁 丸紋つなぎ

◆酒器

・お銚子・徳利
「銚子」は、もとはあらたまった酒宴や三三九度などの儀式に使う、長い柄のついた金属や木製のうつわのことをいいます。一方、徳利は日本酒を入れて猪口に注ぐ酒器のこと。本来は別物ですが、酒を注ぐという同じ役割から現在では同じ意味で使われていることが多いです。

・ぐい呑み・猪口
ぐい呑みは大きくて深めの杯。猪口は上が広がって下がすぼまった形のもの。来客の際、バラバラのデザインのものから選んでもらうのは素敵なおもてなしですね。

黒吹清流  徳利 & 盃 2個 セット



◆その他

・土鍋
鍋料理や炊飯に使います。長く使うものなので、飽きのこない、他の器との相性の良いデザインのものを選びましょう。


萬古焼 銀峯 菊花 土鍋  3-4人用 瑠璃釉

・醤油差し
食事をする人たちと共有するアイテムなので、清潔であることが大事。注ぎ口の汁切れが良く、垂れないものを選びましょう。

白山陶器 G型しょうゆさし 小 グリーン


和食器の種類は、盛り付ける料理によって異なるのがお分かりいただけましたか? しかし、今回紹介した全種類をそろえる必要はありません。小鉢にヨーグルトやサラダを盛り付ける、徳利を花瓶にするなど、用途を知った上で自分なりの使い方を楽しんでみませんか。

Chiaki(粟村千晶)
 テーブルウェアスタイリスト&整理収納アドバイザー
 一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会認定プロフェッショナルテーブルウェアスタイリスト・食空間コーディネーター3級・整理収納アドバイザー1級。
 このコラムでは、テーブルコーディネートの専門知識や現場でのコーディネート経験をいいかして、おすすめのうつわ紹介から食器収納のアイデアまで幅広い情報を発信していきます。
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