【陶器市(陶器まつり)開催レポ】姫路「第30回全国陶器市」

関西屈指の大陶器市には益子焼、笠間焼、九谷焼など
全国各地の有名陶器30以上が一堂に集結

姫路「第30回全国陶器市」開催レポート

兵庫県姫路市において、2017年11月1日(水)から1日(日)までの5日間に渡り、毎年恒例となっている「全国陶器市」が開催されました。
今回は数えること30回目の記念開催。関西でも指折りとされるこの陶器市。期間中は晴天に恵まれたこともあって、5日間の来場者は26万人にもおよびました。昨年が24万5000人だったそうですから、1万5000人もの動員増になっています。

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姫路・全国陶器市画像1全国陶器市のオープニングセレモニーの模様。関西屈指の陶器市に相応しい華やかさ
写真提供:姫路市産業振興課

会場は、姫路市内にある大手前公園。JR姫路駅から姫路城へと真っ直ぐ伸びる大手前通りを進んだ姫路城のそばにある公園が舞台です。

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絶景の姫路城を背景に立ち並ぶテントの数々
写真提供:姫路市産業振興課

主催はひめじ町衆の祭典実行委員会(姫路市、姫路商工会議所、姫路市商店街連合会)。ポイントは姫路商工会議所、姫路市商店街連合会が中心になっている点で、会期中は「グラムでキャッシュ」というイベントを並行して行っていました。これは陶器市会場で購入した焼き物の重さに応じて地元の商店約500店舗で使える商品券がもらえるというもの。
陶器市で焼き物を購入し、もらった商品券でお買い物──まさに町ぐるみで盛り上げる陶器市といったところでしょうか。




窯元や作家のインスタグラムを見てから焼き物探しが現代流

主催者の尽力もあって大盛況の陶器市でしたが、こちらの陶器市が賑わう最大の理由は、なんといっても出店者がものスゴイこと!
今回の店舗数は68。立ち並んだテントを覗いてみると、全国の有名な陶器がズラリと勢揃い。益子焼、笠間焼、九谷焼、瀬戸焼、信楽焼、清水焼、備前焼、有田焼、伊万里焼、波佐見焼に三河内焼などの有名どころの他にも越前焼、美濃焼、常滑焼、唐津焼など、その数は実に30以上にものぼります。

※姫路「第30回 大陶器市」の詳細は姫路市産業振興課ホームページ参照。
http://www.city.himeji.lg.jp/s60/2212506/_10016/_10018.html

しかも会場は、「九谷焼ゾーン」「有田焼ゾーン」「益子焼ゾーン」といった形で同じ産地の窯元や小売店のテントが並んでいたためとても見やすく、また選びやすくなっていました。お気に入りの焼き物や窯元、作家たちの作品も見つけやすく、こうした工夫も「さすが」と感心させられます。

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写真提供:姫路市産業振興課

焼き物探しといえば、姫路市産業振興課の担当者さんがこんなお話をしてくれました。
30代くらいの女性だったそうですが、スマホ片手に来場されたその方は、窯元や作家のインスタムラグをスタッフに見せながら「こういう器が欲しいんです」と好みの焼き物を探していたのだとか。
窯元や作家もインスタグラムなどのSNSを活用する時代。それも手伝ってか、以前は50代、60代の来場者が多かった姫路の陶器市でも、今では20代、30代の女性の姿も多く見受けられるようになってきたそうです。
そうした女性のお目当ては、その多くが「普段の料理に使える日常使いの陶器」。高価な陶磁器ではなく、見映えのする器でテーブルをコーディネートができれば、自慢の料理がグンと引き立つといったところでしょうか。さらにそれらをインスタグラムにアップすれば、料理好き・陶器好きの両面からアピールすることもできますからね。
お値段いろいろ、有名陶器もより取り見取り。姫路の全国陶器市の魅力は、そんなところにもあるのでしょう。




姫路銘菓と有名陶器でテーブルをコーディネート

今回は30回目にして初の試みとなる催しもありました。
姫路の陶器市に合わせて、同じく大手前公園で毎年開催されているのが「姫路菓子まつり」。兵庫県菓子工業組合と姫路菓子組合が主催するこちらのイベントも今年で25回を数えます。
それぞれが区切りの開催であることに相応しく、姫路の銘菓を使った「お菓子と陶器のテーブルコーディネート展」を初めて開催。ちなみにコーディネートに使用した陶器は、「丹文窯(兵庫県)」「能登・眉丈山焼 遊陶房(石川県)」「やさしい器 藍水(波佐見焼・長崎県)」などから出品してもらった作品だそうです。
「見目麗しい展示作品をご堪能ください」というキャッチフレーズに偽りなしのイベントでした。

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「お菓子と陶器のテーブルコーディネート展」の展示作品
写真提供:姫路市産業振興課




人気投票では有田焼や伊万里焼よりも「日田焼」に「つがの焼」!?

様々な催しを行った姫路の大陶器市ですが、毎年恒例の人気企画が、「全国陶器市作品展」です。
出店業者からその年のテーマに合わせて作陶した一品を無料で提供してもらい、一堂に展示します。もちろん、それで終わりではありません。開催期間中、来場者が気に入った作品に一票を投じるという、いわば「陶器選挙」を行われます。さらに、投票に参加した方の中から、抽選でその作品がプレゼントされるというビッグチャンスも!
ちなみに、今年の作品テーマは「祝」。11月15日現在、まだ集計の結果が出ていません。トップ票数を獲得した焼き物を出展したのは、どの窯元でしょうか。ちなみに、途中経過では昨年に続き、大分県の「日田焼」と栃木県の「つがの焼」が有力候補だとか。今年もこの2つの窯元の争いになるのでしょうか。
こうした人気投票の結果などを見ても、有田焼や伊万里焼、九谷焼など、誰もが知っている有名陶磁器ブランドだけでなく、日本にはまだまだ魅力的な陶器がたくさんあることが分かります。特にこの姫路の陶器市は〝全国〟を謳っているだけに、そうした〝掘り出し物的〟な魅力ある焼き物に出会えるチャンスも高いはず。
来年、機会を見つけて行かれてみてはいかがでしょう。一度行くと病みつきになってしまうかも!?
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陶芸に対する関心度の高さで、ろくろ実演にも長い行列
写真提供:姫路市産業振興課

【開催概要】
姫路「第30回全国陶器市」
お問い合わせ:ひめじ町衆の祭典実行委員会事務局 (姫路市産業振興課内)
電話 079-221-2522
詳細ホームページ:
http://www.city.himeji.lg.jp/s60/2212506/_10016/_10018.html

日時: 11月1日(水)~11月5日(日)10:00~17:00

場所: 大手前公園(姫路市本町68)

アクセス:
JR・山陽電鉄姫路駅より北へ徒歩約10分
山陽自動車道 「山陽姫路東IC 」より約15分
※公共交通機関をご利用ください

パンフレット: 第29回姫路市全国陶器市チラシ(PDF)