テーブルライフニュース
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【輪島塗特集1】蔦屋漆器店 大工佳子さん

January 12, 2018

テーブルウェアフェスティバルまであと1ヶ月を切りました!東京ドームで出会える窯元をテーブルライフでは事前に取材しました!テーブルウェアフェスティバルに訪れる方は必見です!

輪島塗 蔦屋漆器店
漆コーディネーター 大工佳子(だいくよしこ)さん

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日本で漆器と言えば真っ先に思い浮かぶのが輪島塗。ギャラリーを切り盛りしている傍ら、漆コーディネーターとして漆器の日常使いをご提案されている、蔦屋漆器店店主・大工佳子さんにお話を伺いました。

曹洞宗大本山総持寺の御用達店

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蔦屋漆器店は1860年創業と地元では老舗の漆器店。大通りから一本入った静かな場所にご自宅兼ギャラリーがあります。



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玄関を抜けると目に飛び込んでくるのがこちらの札。以前は能登の門前町にありましたが、現在横浜に移転した曹洞宗大本山總持寺の御用達を務めていることもあり、全国の寺院に漆器を納めています。

しかし、2007年の能登半島沖地震で蔦屋漆器店の蔵も大打撃を受けてしまいました。塗り職人たちの半分以上が蔵をたたんでしまった中、こちらでは外観をそのままに、時間をかけて立て直したそうです。

土蔵を改装したこだわりのギャラリーには素敵な漆器がたくさん!何度も塗り重ねられ、1つ1つ丁寧に作られた器はどれも欲しくなるものばかりです。

男性社会の強い輪島で結成された「彩漆会」(さいしつかい)~女性たちの輪島塗普及活動 ~

「能登のとと楽」という言葉をご存知ですか?この「とと」を漢字で書くと「父父」、つまり夫のことを指します。これは男性が自由に外に出ても女性が家を切り盛りできるぐらい働いて稼ぐ(つまり夫が楽をする)という意味で、能登地方にある輪島ではこの文化が根強く残っていたそうです。漆器業界においても、男が外で器を売り、女は留守をしながらも家庭を切り盛りするという、いわば男性社会。

そんなある時、輪島市の漆器組合主催で輪島塗に携わっている人向けに商品開発の勉強会が開催され、その際東京から招いた女性コーディネーターに言われたのが

「輪島塗には女性のニオイが全くしない」

だったそう。元々男性向けに行っていたこの勉強会。せっかく素晴らしい器を作っているのに今の生活に見合った器が見当たらない、そこで女性の視点で考えたらどうか、というアドバイスを受け一念発起。そこで結成されたのが『彩漆会』です。

彩漆会が生んだお料理パネル!?

結成後は器やテーブルコーディネートの勉強に勤しみ、学んだことをそれぞれ持ち帰り、稼業に生かすということを続けてきた彩漆会。そんな彼女たちの努力が花咲くきっかけとなった出来事がありました。

それは今から20年ほどに開催されたテーブルウェアフェスティバルでのこと。彩漆会が漆器を使ってテーブルコーディネートをするにあたり、一緒に並べたのが器にお料理を乗せたパネル。今でこそよく見かけますが、その当時はかなり斬新で、これがイベント主催者の目に留まり、後にコンテストで採用されるようになったそうです。

しかし「とと楽」社会の色が強かった当時はそれでも「ヒマな奥様たちのままごと遊び」と揶揄され、何かと批判されたことも多かったそう。

そんな批判の中でも頑張ってきた佳子さんたち。今では日本各地でイベント開催や地元の 子供たちに、漆器の良さを伝える活動を行っています。

「器にやさしい=人にも優しい」

「漆器=高価で手が届かない器、という先入観が先行しがちですが、実はどんな壊れ方をしても職人さんがきちんと修復してくれ、再生できるものなんです。だから長く使えるし、それを考えれば全然高価だとは思えないんです」。

さらに、「漆は塗り直し、何代も受け継がれる。小さい頃から自分のものとして認識させることで、物を大切扱う心理が芽生え、人をいたわる心に繋がるはずです。」と佳子さん。

地域の子供たちにも漆器の素晴らしさや普段から漆器を使う習慣を身につけてほしいという思いから、数年前より小学校で輪島塗の家具膳に給食を盛り付けてお食事会を開いたり、地元のレストランで漆器を使ってもらったりと、精力的に普及活動されています。

(蔦屋ギャラリー内でのイベントの様子。漆器を色々なシーンで使われています)

(上の写真は輪島にあるフレンチレストラン・L’Atlier de Noto ラトリエ・ドゥ・ノトで使われている蔦屋さんの漆器プレート)

その他現代のライフスタイルに合わせて漆器=和のコーディネートという従来の概念を覆すべく、お重にサンドイッチやケーキを入れてティータイムに使ってみたり、煮物椀を小鉢やスープカップにみたて夕食のおもてなしになど、普段の生活に溶け込んだ輪島塗の使い道を提案されています。

昨年12月にはあのフランスの有名ガラスメーカー・バカラとのコラボイベントを九州で開催。

こうした地道な努力のお陰もあり、それまで自宅で眠っていた漆器を使ってみようという声が着実に増えているとのこと。(実は筆者もその一人)

OFFの日は・・・

普段からお仕事を楽しまれているせいか、ONとOFFの時間があまりよくわからないとおっしゃっていますが、まとまった時間があるときはお芝居やミュージカルを観にいったり、と漆器とは全く関係のない過ごし方をしているそうです。

また今夢中になっているのが美味しいものを食べに行ったり、お店を探したりすること。お料理好きな佳子さんならではですね。

今後の予定としては

2月のテーブルウェアフェスティバル(東京ドーム)出展、輪島塗と英国アンティークでアフタヌーンティーイベント、 4月の「輪島塗に春を盛る」と題したお料理教室&お料理屋さんでのイベント(広島)が決まっているそうで、さらなるご活躍に注目です!

昨年蔦屋漆器店さんのアイテムを使った展示場コーディネートをさせていただきました。

◆ コラムはこちら → https://table-life.com/columns/post/7465

蔦屋漆器店
 〒928-0001 石川県輪島市河井町3-103
 電話 : 0768-22-0072
 FAX : 0768-22-9028
 HP : http://www.wajima-tutaya.jp/

[取材・編集 テーブルライフ編集部]