窯元の潜入取材

【有田焼窯元特集 3】 惣次郎窯 大串真司さんインタビュー

January 17, 2018
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テーブルウェアフェスティバルまであと2週間強。東京ドームで出会える窯元をテーブルライフでは事前に取材しました!テーブルウェアフェスティバルに訪れる方は必見です!

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有田焼  惣次郎窯 大串真司(おおぐしまさし)さん

日本有数のうつわの産地、有田。

今回ご紹介する「惣次郎窯」は、 有田の中でも比較的新しい窯元です。そんな「惣次郎窯」の二代目、 大串真司さんにお話を伺いました。

惣次郎窯と大串さんの生い立ち

大串さん

日本有数のうつわの産地、有田。

今回ご紹介する「惣次郎窯」は、 有田の中でも比較的新しい窯元です。そんな「惣次郎窯」の二代目、 大串真司さんにお話を伺いました。

-惣次郎窯の創業と名前の由来について教えて下さい

30年ほど前に父が創業しました。私は2代目です。窯元名は父(大串惣次郎)から名づけています。

-陶芸を始めたきっかけは何ですか?

工房が今のところにできる前にも父が家の裏で作陶していたのでその姿は見ていましたが、幼少・学生時代は野球をやったりして父の作陶からは離れていた期間がありました。

陶芸を始めたきっかけは、高校2年生のときです。

親戚の集まりで、父が首名の花器を作っているビデオが流れたのですが、そのビデオを見たときに今まで味わったことない衝撃を受けました。その時の父の姿が忘れられず、有田窯業大学への入学を決心。絵付けの基礎を半年間かけて学びました。

-なぜ絵付けを選んだのですか?

本当はろくろを学びたかったのですが、うちは絵付けを外注していました。うちで絵付けができたら今よりも個性的なうつわができるんじゃないか。そのときはろくろはそのうちに身につければいいと思い、あえてろくろではなく絵付けを学んだんです。

 

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惣次郎窯の特徴

-窯元の特徴は何ですか?

惣次郎窯では父がろくろを引き、私が絵付けをする役割分担になっています。

「惣次郎窯」というひとつの窯元ではありますが、父と自分の作るうつわは、個性が異なります。あえて同じうつわを作るのではなく、その異なる個性をあえて生かすのが目的です。目指しているのは幅広い作風ではなく、狭くて深いもの。だからこそ、テーマをしっかりと決めてから個展やイベントのためにうつわを作るようにしています。

-売れ筋商品は何ですか?

プレートよりもそば猪口とかカップとかがよく出ますね。

ー工房のロケーションがとても素晴らしいですが、どのような理由で選ばれたのですか?

工房は有田の中心地から少し山合いにある場所にあるのですが、日当たりが良くて、静かなこと、そのときの感覚で決めました。少し高台になっているのでここから見る景色がとても綺麗で工房の周りは葡萄畑が広がっていて、8月の収穫時期になると一面甘い香りがするんですよ(笑)。また近くの公園が整備されてすごく環境がよくなったのも今となっては有難いですね。

 

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今後の展開について

- 規模の遍歴についてはどんな感じですか?

元々は個人売りをしておらず卸売りのみだったのですが、20年ぐらい前から陶器市にも参加するようになり、小売も始めました。また東京ドームのテーブルウェアフェスティバルに出展したりする中で百貨店とのつながりもできてきたという流れですね。

-今の悩みは何ですか?

百貨店などで販売をしながら、もっと作家性を強めた方がいいのか、窯元の名を強めた方がいいのか悩みますね。つまり古伊万里調の昔ながらのデザインも好まれるお客様もいますし、モダンな柄を好まれる方もいらっしゃる。種類を多く作った方がいいのか、逆に狭めて際立たせた方がいいのかという葛藤はあります。

いいものを作っている自負はありますが、今の時代はとにかく見せ方が大事だと思っています。店頭のディスプレイも然り、SNSも然り。どういう風に見せていくかが悩みどころです。

◆ instagram(@soujirougama)→ こちら

◆ 惣次郎窯ブログ → こちら

自分自身販売に出ているからこそ浮かぶ新商品・新アイテムのアイデアが出てくることもあって、見せ方~使い方~商品が密接に繋がっている気がしますね。

鯉料理とうつわのコラボで、新しい世界を目指す

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-有田焼400周年事業はいかがでしたか?

うちはランプシェードを作ったんですが、あまり事業には乗っからなかったので一部の参加された窯元さんとは温度差がありました。

その一方で近所の窯元さんと「400周年事業とは別に自分たちで何かしたい」という想いで県の支援センターに相談してみたところ、龍泉荘の鯉料理の企画に参加できることになりました。(こちらはコース料理とお好きなお皿が一枚もらえる「陶器市御前弁当」の企画)

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その頃に少しスペースの空いた蛸唐草模様の絵柄を始めたのですがかなり好評で、昨年のテーブルウェアフェスティバルでは評価されたと感じています。ただしこの模様はこれまでの惣次郎窯の模様ではない斬新なものだったため、これは定番として残したい反面これまでのお客様を手放してしまうかもしれない恐れも同時にあります。

-デザイナーさんと組んでみたいとか願望はあるんですか?

ご縁があればお話だけでも聞いてみたいですね。自分の可能性も広げてみたいし、どんなものが作れるか楽しみでもあるので。今までは父の元でだけやってきたので、外の世界という刺激も見てみたいです。

-今後の展望は何ですか?

今目指しているのは、幅広い作風ではなく、狭くて深いものなんです。だからこそ、テーマをしっかりと決めてから、個展やイベントのためにうつわを作るようにしています。

課題としては父が70歳を迎え、自分が年の半分を出張で出ているという体制がいつまでも続くとは思っていません。そんな前提の中で父・惣次郎の味と自分の味をそれぞれ生かして生きたいと思っています。

例えば最近「窯作品」としてでなく「作家作品」的に茶器みたいなもので作っていますが、コンセプトを「かっこいい」にするのか「かわいい」にするのかで大きく悩みますね。

また漆器やガラスみたいな違う素材とのコラボのようなチャンスあれば積極的に参加してみたいです。そういうものに触れたり人と交流する中で今までと全く異なるものの見方ができるようになるかもしれないので。

-自分の作品をどんな人に使って欲しいですか?

今のお客様よりも少し下の世代である40~50代の人たちにも求めてもらいたいですね。やはり一番生活力にパワーがあって趣味趣向にグッと入り込めるような方々に日常プラスαのちょっと贅沢な食卓に使っていただければ嬉しいです。

OFFの日は・・・

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-OFFの日は何をされていますか?

一年のうち半分は、個展やらイベントやらで家にいません。だからこそ、家族と過ごす時間をつくるように心がけています。また、自然をゆったりと見返すようにもしています。特に今の年齢になってから改めて自然の良さを実感するようになり、こうした時間が製作の精度につながると信じています。

-もし時間があったら何をしたいですか?

旅をしたいですね。出張では行けない(行かないところ)に行ってみたいです。例えば金沢ではなくて福井とか、大阪じゃなくて奈良とか、仙台じゃなくて岩手とか。結局静かなところが好きなんですかね(笑)あとは海外にも。今は台湾に行ってみたいです。

あとはみんなでワイワイとBBQというのも憧れます。子供(4歳・1歳)がまだ小さいのでもうちょっと大きくなってきたらやりたいですね。

家族をとても大事にされている大串さん。常に意欲的な姿がとても印象的でした。

これからのご活躍が楽しみな作家さんです!

今後の予定

◆ 2/4~2/12   テーブルウェアフェスティバル
◆ 2/14~2/26 日本橋髙島屋

惣次郎窯さんの作品をお借りした住宅展示場でのダイニングコーディネートを2度行っておりますので是非そちらもご覧ください。

① 2017.2「ミモザのテーマ」→ こちら
こちらのコーディネートを上のDMハガキにして下さいました!

② 2017.7 「有田焼のティータイムテーブル」 → こちら

惣次郎窯
〒849-4172 
佐賀県西松浦郡有田町下本乙3066−9
TEL:0955-46-3980 
URL:http://www.soujirougama.com/
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