【伊万里焼特集】青山窯 川副史郎さんインタビュー

1年に1度の器の祭典、テーブルウエアフェスティバルも無事に終了!今回出展していた窯元さんを弊社が事前にピックアップし、インタビューいたしました!

伊万里鍋島焼窯元  青山窯
川副史郎さん

今回は伊万里にある窯元をピックアップ。現在約30ほどの窯元が軒を連ねる伊万里大川内山(おおかわちやま)。ここはその昔、お客さんが途中まで来て帰ってしまうほど山深い場所にある、まさに「秘窯の里」。

「鍋島焼」と呼ばれる、藩の威信をかけて作り上げた将軍や大名の献上品を生産し繁栄した場所でもあります。

大川内山はレンガ造りの煙突や重厚な石畳など、江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある町並みがとても素敵です。

その中で一際目立つ煙突のある建物が青山窯さんです。

最高級品を作り続けてきた老舗の窯元

-青山窯の歴史について教えて下さい

伊万里大川内山が鍋島藩窯であった時代、先祖である川副内蔵介が地区の世話人代表として事業功績を残したことに始まり、今から135年前の明治16年に民間の陶工として創業しました。私で5代目です。

-史郎さんご自身についてお聞かせください

一人っ子なのでいずれは家を引き継ぐことにはなっていましたが、それまでは東京・福岡で広告会社に勤務していました。退職後、有田窯業大学で1年絵付けの勉強をし、さぁこれから父と一緒にやっていくぞと思っていた矢先、窯業大学卒業後1ヶ月で父が急逝し、いきなり社長に就任しました。今から11年前のことになります。

突然の社長就任・・・

-いきなり社長という立場、戸惑いはありませんでしたか?またこれまでの経験が今に生かされていますか?

父の代までは古文様の器ばかりを販売していました。自分はそれをいつか変えたいと思っていた矢先の社長就任で、最初は色々と苦労しました。でも父がいたら逆に甘えてしまい、今のような状況にはならなかったかもしれません。

また会社員時代の経験が今に生きていると思っています。器作りは窯元の力だけでは何もできず、土屋・生地屋・型屋さんの協力を得ることで作品作りをしなければなりません。当時はプロデューサー的な業務を行っていたので、こうした協力作業、そして経営面において今の仕事に大いに役立っています。

伝統の技を残しつつ、新しい器づくりへ

-現在どのような器を作られていますか?

今は家庭用の一般食器を作っていますが、鍋島様式のエッセンス(例えば色の使い方。下絵付けの呉須の紺色以外は赤・黄・薄青が使われているのが特徴)を抜き出して新しい絵の具を使ってみたり、現代の食卓にふさわしい器作りをしています。

また最近では海外のデザイナーとコラボ作品を作る機会もあり、同時に工房移転という大きな変化もありました。

そしてこれを機に国外からのオファーも受けるようになり、このことが現在の青山窯にいい意味で影響を与えてくれたと思っています。

-今後の課題・目標を教えて下さい。

今後の課題としては、有田のプロジェクト参加に忙しくしていたことでなかなか地元のことに目が向けられなかったという反省から、大川内山の窯元仲間との連携をもっと蜜にして、大川内山の魅力を発信していきたいと思っています。それとまだまだ宣伝が不十分なので、行政や他のエリアを巻き込んでいきたいとも思っています。

またある程度ブランディングを考えながら、体験工房や体験しながらお茶や食事ができるものを創りたいというのが夢ですが、ただそれが時代に求められているのかは正直疑問はありますね・・・。

OFFの日は専らロードバイク

史郎さんのご趣味はロードバイク。前職時代の友人に誘われて始めたそう。アプリと連動して自宅でもトレーニングされるほど今ハマッているそうです!

若おかみである奥様の存在

奥様の貴子さんは「若おかみ」としてギャラリーとショップの切り盛りをされています。元グランドホステスだけあって、取材中話し方や物腰がとても柔らかく、常に笑顔でいらっしゃるのが印象的でした。そんな貴子さん、instagramやブログで青山窯の器について発信されていますのでこちらも要チェックです!

◆ 青山窯 instagram

◆ 伊万里 青山窯  “四季の器だより” ブログ

ショールームとショップの2つの空間

ショールームには美術品から日常食器に至るまで色々なうつわを展示・販売されています。また、季節に合わせたテーブルコーディネートのご提案もされているとのこと。


取材中、こんな素敵な器でお茶&お菓子をいただきました!

先日閉幕したテーブルウエアフェスティバル2018で1番売れたというティーカップ&ソーサー。ソーサーは小皿としても使えるので、使い勝手がとても良さそうですね!ちなみにこのセットを弊社専属コーディネーターも購入しています!

こちらは2015年秋にリニューアルオープンしたショップ、seizan+(セイザンプラス)。カジュアルでオシャレ、そしてお手頃価格の器を扱う「毎日が窯元市」がコンセプトの素敵な空間です。

カラフルでありながらシンプルな日常使いにピッタリな器がたくさん並んでいます。

こちらの看板が目印です!

伊万里鍋島焼 青山窯
〒848-0025 佐賀県伊万里市大川内町乙1832
TEL:0955-23-2366
URL:http://www.kawazoe-seizan.com/index.html
instagram:https://www.instagram.com/seizan_imari/

[取材・編集 テーブルライフ編集部]