【有田焼窯元特集1】アリタポーセリンラボ 松本哲さんインタビュー

テーブルウェアフェスティバルまであと1ヶ月。東京ドームで出会える窯元をテーブルライフでは事前に取材しました!テーブルウェアフェスティバルに訪れる方は必見です!

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モダンすぎる有田焼「アリタポーセリンラボ」潜入取材!

昨今テーブルコーディネーターに絶大な人気を誇る有田焼の窯元・ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリンラボ)

弊社専属テーブルコーディネーターのNayumiさんたっての願いでインタビューが実現しました!

お話は代表取締役 松本哲(まつともさとる)さんです。

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波瀾万丈の窯元経営。7代目社長の奮闘記。

-ARITA PORCELAIN LABとは

正式な窯元名は「弥左ェ門窯(やざえもんがま)」で、1804年創業・200年以上の歴史を誇る有田最大規模の窯元です。ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリンラボ )は現代のライフスタイルに合わせたモダンブランド。

現在哲さんが7代目。

その歴史はまさに波瀾万丈。上がったり下がったりのジェットコースターのような窯元の歴史です。

初代が築窯したが二代目で倒産。強運にもギャンブルに勝ち家屋敷を取戻すことに成功したのち、三代目が有田に2件あった銀行の内の1つの銀行(後に合併し今日の佐賀銀行)を成功させ政治家へ転身。九州鉄道の「上有田」駅開設に尽力し、有田からの出荷という商流を作り「有田焼」の礎を築いたとも言われています。

四代目は海外輸出の夢を追って有田焼を持ってヨーロッパへ向かうも、インドで資金が尽きて南アでクリーニング屋を手伝い、日露戦争を機に帰国。その後五代目は「ゴールドイマリ」のブランドで大成功、弥左ェ門窯を再建します。ところが六代目で円高の影響により輸出を縮小、7代目である哲さんが継いだときには大きな借金のため民事再生法の適用を受けるほど経営は深刻だったのです。

(詳細はアリタポーセリンラボのホームページ「弥左ェ門ヒストリー」をご覧ください)


7代目・哲さんの人生も波瀾万丈

ー松本さんの経歴を教えてください。

有田で生まれ育ち、高校は地元の名門校(普通科)の理系男子クラスで運動音痴なオタクな青年でした。このままではモテないと思い、九州大学の文系学部を受験し、大学時代はモテるかと思ってDJなども経験しました。

卒業後は「一度東京に住んでみたかった」という理由で東京都内の銀行員に。3年間勤めた後に有田に帰りましたが、結果的に債務処理などの経験が役に立ったと思います。

驚きの開発秘話

-現在有田でも有数のスタイリッシュな食器を生産されているARITA PORCELAIN LABですが、どのような開発経緯があったのでしょうか?

まず大前提として、自分は普通高校・経済学部・銀行員と作陶を学んできたわけではないので、自分でデザインをやった事が無いという制約がありました。

初めはシンプルなものでブランド確立を目指したのですが、やはり価格で波佐見焼にはかなわないところもあり、百貨店に並ぶようなラインを考えなければいけないと思いました。

そこで考えたのが昔ながらのデザインをそのままに色だけを単色にしてみるなどの工夫。偶然なのですが、非常にスタイリッシュなものができたのです。

また経営が苦しい時期にいろいろな実験をしていた中で、刷毛で釉薬を塗ると表面がマットな仕上がりとなりどんな色でもスタイリッシュになることを発見しました。

-現在大人気のJAPANシリーズの原形ですね。

これにより国内で注目を得ることができ、業績が大きく回復しました。

ポジショニングも「シンプル×モダン」から「ラグジュアリー×モダン」への転換を意識し、「日本のラグジュアリーを世界に」と想うようになりました。

(写真はアリタポーセリンラボ旗艦店で頂けるランチより)

さらにスタイリッシュなうつわを求めて。

-ニューヨークでの展示会イベントに参加されてさらなる飛躍が。

NYに持って行くとなると輸送費その他でどうしても値段を上げざるを得ないので、値上げの理由付けとしてプラチナを塗ってみたのですが、これがまたさらにスタイリッシュなものができ、大変な評価を得ました。

そのときに隣で出店していたブースの社長さんに伊勢丹さんをご紹介頂き、伊勢丹さんからピンク色のラインの要望を受けているうちに四季のラインナップが出そろいました。ありがたいことにリモデルから常設を頂き現在に至ります。

トレードマークは着物!大柄な体格と着物でどこにいてもすぐにわかります

-やはりどうしてもそのお着物は突っ込まざるを得ないのですが()、どういう経緯で着られるようになったのでしょうか?

NYに出展するとき、博多織を作っている先輩に無理矢理作られて着ていったのがきっかけです。とても評判がよかったのと一発で覚えてもらえる利点もありますね。

一度着ると結構慣れてしまい、普通の人がスーツを着ていく場面で着るようにしています。最近はだいたい週に23回といったところですね。

(編集部注:東京ドームのテーブルウェアフェスティバルでもいつもこの格好でいらしています!とても気さくな方なのでお気軽にお声かけしてくださいね)

-リフレッシュするときは何をされていますか

特にこれと言った趣味もないので、ごはんを食べることくらいでしょうか(笑)




アリタポーセリンラボ旗艦店のご案内

うつわと同じように徹底的にモダンな世界観にこだわり抜いた店内のディスプレイ。元々は工房だったという有田のど真ん中の建物にイベントスペースにもなる空間をカフェとして利用したカッコイイ店舗です。

コーヒーブレイクに立ち寄るもよし、ランチタイムにゆっくり疲れを取るもよし。料理も一流で、ため息が出るようなお食事時間を楽しめます。

そしてうつわのラインナップもすごい!

うつわ好きは1日いても楽しめてしまうでしょうね!

有田を訪れたときは必ずお立ち寄りください!

アリタポーセリンラボ有田旗艦店
[ 住 所 ] 〒844-0003 佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-11-3
[ 営業時間 ] 11:00~17:00
[ 店休日 ] 火曜日
[ TEL ] 0955-29-8079
[ FAX ] 0955-29-8134
http://aritaporcelainlab.com/

[取材・編集 テーブルライフ編集部]

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