【陶器市(陶器まつり)開催レポ】第64回 信楽焼陶器まつり

信楽焼陶器市最大イベントは毎回大盛況!
見逃した方は来春の陶器市と作家市をお楽しみに!

「第64回 信楽焼陶器まつり」開催レポート

2017年10月7日(土)から9日(月)にかけて開催された陶都・信楽町の「第64回 信楽焼陶器まつり」。具体的な来場者数などはまだ明らかではありませんが、信楽焼の陶器市で最大のイベントといわれるだけあって、今年も大勢の焼き物ファンが詰めかけたようです。

公式ホームページはこちら
http://www.shigaraki-matsuri.com/



メインは「大即売会」!お得に信楽焼を購入するチャンス

こちらは「信楽陶器まつり」のチラシ。

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ご覧になってわかる通り、メインは「信楽陶器まつり大即売会」と表記されており、普段はなかなか手の届かない信楽焼の商品がお得にたくさん購入できる意味合いが強いイベントです。

中でも即売会や展示会は今回も大盛況! 信楽焼らしい、人間味のある柔らかく温かみのある器や置物を求め、大勢の来場者が自分好みの作品を探していました。
「信楽焼陶器まつり」の会場となったのは、甲賀市信楽地域センター周辺および滋賀県立陶芸の森などの各所。陶器まつりのチラシには記載がありませんでしたが、陶芸の森では作家たちが出店する「セラミックアートマーケット」なども開催されていました。古くからの窯元ではなく、信楽で活動する新鋭作家に出会えるイベントとしてはこちらの方がオススメです。

例年ですと毎年5月上旬のゴールデンウィークに信楽駅前で同規模の陶器市の開催があり、「陶都・信楽」らしく〝陶器祭り〟として賑わいます。

また、秋の「セラミックアートマーケット」よりも全国各地から作家を集めて開催する「信楽作家市」という陶器市が毎年5月上旬のゴールデンウィーク4日間で開催しています。会場は陶芸の森。県内外から160名を超える作家たちが集まりテントを並べる陶器の展示即売会です。

今回の「第64回 信楽焼陶器まつり」を見逃してしまったという方は、ぜひ来春、信楽町を訪ねてはいかがでしょうか。



信楽焼の狸と商売繁盛

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「日本六古窯」のひとつである信楽焼。日本六古窯とは、信楽のほかに備前、丹波、越前、瀬戸、常滑をいいますが、その中で1250年という歴史があり、最も古い窯といわれているのが信楽です。

信楽焼が始まったのは、鎌倉時代中期。水瓶・種壺・茶壺・茶器・徳利・火鉢・植木鉢…といった大物から食器類などの小物に至るまで、今では幅広い製品が作られています。

信楽焼の特徴は、素朴なぬくもりを感じさせる土味の温かみ、侘び、寂び。また、焼成時に窯の中でかかる灰によって仕上がる「ビードロ釉」や「黒褐色の焦げ」なども特徴です。

信楽焼といえば真っ先に「狸」を思い浮かべる人も多いでしょう。あの黒褐色のなんともいえない毛並み(?)も、独自の技法にから生み出されているといえるでしょう。

ちなみに信楽に行ったことある方ならご存知と思いますが、冗談ではなく本当に信楽町では大勢の狸たちと出会うことができます。商売繁盛の縁起の置物として利用される信楽の狸ですが、なぜ、狸が商売繁盛の縁起物とされているのかご存じですか? 諸説ありますが、「他所を抜く=他抜き(たぬき)」という意味があるそうです。
さらに信楽焼の狸は、よく見るとそれぞれ表情が微妙に違っています。信楽に行った折には、じっくりと観察してみるのも面白いですよ。

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陶器市のほかにも見どころいっぱい!

陶器市を見逃しても信楽の町には見どころがたくさんあります。現地の方に陶器好きのオススメスポットをお聞きしたところ、今回の「信楽焼陶器まつり」の会場になった「滋賀県立陶芸の森」や「信楽伝統産業会館」はぜひに、とのこと。

「陶芸の森」には、信楽焼のみならず世界の陶芸を紹介している陶芸専門の美術館「陶芸館」があります。また鑑賞するだけでなく、陶芸体験ができるというのも魅力です。

「信楽伝統産業会館」は、信楽高原鉄道信楽線の信楽駅から徒歩10分ほどの場所にあり、資料室には信楽焼の伝統的作品などの展示もあります。さらに、総合資料室ギャラリーでは、信楽焼の工芸品を常設展示しており、随時、特別企画の展示会などを開催しています。陶器市では出会うことのできなかった逸品を間近に見ることができるかもしれません。そのほかにも伝統作品のみならず現代作家による作品も鑑賞できます。新しい信楽焼を発見することができるかもしれません。

「信楽焼陶器まつり」を見逃してしまっても、信楽の町には見どころがたっぷり。来春まで待てない陶器好きは、紅葉に染まった秋の陶都・信楽探索といきたいところですね。



実はアクセスが楽しい!信楽高原鉄道

信楽焼の郷の地名は「甲賀市信楽町」。そうです。忍者ハットリくんでもおなじみ「伊賀」「甲賀」の甲賀です。実は「忍者」は2017年4月に「日本遺産」に認定されたばかり。

信楽高原鉄道はこの忍者を前面に押し出していて、とてもユニークな車両を楽しめます。これなら鉄道ファンでなくても乗ってみたい!

時間はかかりますが、ゆっくり信楽に移動して、旅を楽しむのもいいですね。

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開催概要

第64回 信楽焼陶器まつり

2017年10月7日(土)〜9(祝)

アクセスはこちら http://www.shigaraki-matsuri.com/access/

会場:信楽地域市民センター特設会場
信楽高原鐵道 信楽駅より徒歩1分

〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野1203

アクセス:

自動車→ 新名神高速道路「高速信楽IC」

鉄道→信楽高原鐵道「信楽駅

2017年11月5日現在[取材・編集:テーブルライフ編集部・取材協力はちどり]