【受賞者インタビュー】樽田裕史さん テーブルウェア・フェスティバル2021 Online お酒を愉しむ器コンテスト最優秀賞
今年は『お酒を愉しむ器コンテスト』と『お酒を愉しむ食卓コンテスト』の2部門で開催!
先日閉幕したテーブルウェア・フェスティバル2021。今年はコンテストも全てオンライン開催でした。
毎年募集のあるテーブルウェア・フェスティバルでのコンテスト。例年は郵送とメールでの応募ですが、今年はInstagram上のみでの募集となりそれまでとは違った形式で行われました。
今年は『お酒を愉しむ器コンテスト』と『お酒を愉しむ食卓コンテスト』の2部門で開催。
『お酒を愉しむ器コンテスト』では、テーブルライフストアで大人気の若手作家・樽田裕史さんの作品が見事最優秀賞を受賞しました!
◆ 樽田裕史さんの素敵な作品一覧はこちら。
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受賞作品はこちら。
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今回、テーブルライフスタッフは樽田裕史さんに受賞インタビューをオンラインで敢行!色々とお話を伺いました。
1. 受賞作品について
ーまずは作品についてお聞かせください。今回のコンテストではどういったコンセプトで作品を作られたのですか?
テーマが酒器ということで、テーブルウェア・フェスティバルの華やかなイメージに合わせて日本酒に合う器を作りました。
ーコンテストは複数応募が可能でしたが、樽田さんはこちらの作品1点のみの応募だったとか?
はい、1点のみの応募でした。というのも応募したのが最終日の夜ギリギリだったので・・・。時間はありませんでしたが、今までとちょっと違う工夫を凝らしました。
ーその工夫とは何ですか?
2つあります。
まずはこれまでは磁器のみの作品でしたが、今回初めて酒器のハンドル部分に異素材(真鍮)を組み合わせて作品作りをしたことです。
でも今回使った真鍮ですが、実は瀬戸にあるやきものの道具を売っている金物屋さんで見つけたものなんですよ(笑)瀬戸は場所柄そういう素材を売っているお店があり、今回自分の作品に合うものを偶然見つけたので使ってみました。本当はこの部分から自分で作りたかったのですが、今回は締め切りに間に合わず断念しました。いずれは最初から全て作ってみたいですね。
そしてもうひとつが、今回のコンテストでは蛍手(※)の線を普段よりも太くしたこと。
こうすることで以前よりも光がより入り、高級感が増すようにしました。また、写真のコンテストなので光の漏れ具合がより分かりやすいという点にも配慮しました。
※蛍手:透かし彫りをした作品に、透明の釉薬をかけて焼き上げる技法
(こちらは普段作られているもの)
(こちらが今回応募した作品) 引用:Instagram
画面越しではありましたが、上記の2つを実際に見せていただき光の入り具合の違いにビックリ!今回応募された作品はより上品で高級感のある印象でした。
ーお写真がとても綺麗ですね。こちらはプロの方に撮っていただいたものですか?
いえ、応募写真は全て自分で撮りました。画像にある手も自分の手なんですよ(笑)。三脚を使いタイマーで撮りましたが、注ぐタイミングを合わせるのが少し大変でした。
特に上の写真ではシズル感が出るように光を当てながら注いでいる様子を撮影しましたが、これが結構難しくて・・・上手く撮れて本当に良かったです。
ー今回の受賞はいつどのような形で知りましたか?
年明けにInstagramのDMで入選(入賞)のお知らせをいただきました。そしてその後何度か事務局の方とやり取りしているうちに自分が最優秀賞であることも知りました。なので、一日で入選と入賞どちらのお知らせもいただいたことになります。
2.普段のお仕事について
ー作陶にあたり普段心がけていることは?
【手を抜かないこと】
陶歴はそこそこ長い方(13年あまり)なのですが、最初はモノづくりをしていて途中の工程でもカバーできると思いながら作陶していました。でもそれは難しいことだと気づき、最初からきちんと丁寧に作業することを心掛けました。そのおかげもあって今では自分の納得のいく良いものがたくさん作れるようになりました。
そしてこの心構えが後々「作る前の工房を綺麗にする」とか「工房を綺麗にしながら作陶する」など、良い環境に結びつくことを期待しています。
【体調管理をしっかりと】
20代後半に外で飲んだ後に削りの作業をしたらそれはひどい作品が出来上がってしまいまして・・・良い作品作りにはいい気分・無の気分になれること、つまり体調万全な状態が一番だと痛感しました。それが教訓となって飲みに行って酔ってしまった翌日は体調良くなるまでやらないと決めています。
ーOFFは何をされていますか?
基本OFFはないです。今このようなコロナ禍なのでほとんど外出することもなく、ほぼ毎日工房で作業しています。元々1人で行動するタイプなのでそれほど苦ではないです。
また一昨年・去年は有難いことに色々なところからお声が掛かり、ほぼ全てお受けしていました。実は今もその状態が続いているので、籠って作陶の日々です。
ただちょっと気負いすぎて今は少々疲れ気味かも・・・。適度に休息したいと思います。
ー今後の展望・ご予定についてお聞かせください
実は今年予定していたスウェーデンでの個展が再来年に延期になってしまいましたが、今の技法をそのまま続けていき、もっと質を高めていきたいと思っています。そして今後はなるべく国内外問わず展示できるよう作品作りをたくさんしていきたいです。
また自分の作品は小物が多いので、もっと大きなものも作りたいです。カラーバリエーションは今はあまり考えていませんが、一輪挿しなど掘るだけの花器シリーズに黒を加えてもいいかなとは思っています。
ー受賞された感想を改めて教えてください
有名な作家の方々も応募された中で自分の作品が選ばれたことは素直に嬉しいです。これを機に自分の作品に自信が持てましたし、さらなる作陶意欲が湧きました。
時々ジョークを交えながらも終始笑顔で明るくお答えいただいた樽田さん。この度はお忙しい中本当にありがとうございました。今後の益々のご活躍を編集部一同期待しております!!
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透明感溢れる樽田さんの作品はテーブルライフストアでお取り扱いしておりますので是非こちらもご覧くださいね!
[取材・編集 テーブルライフ編集部]