宮田竜司(みやたりゅうじ)
2017年、今年の「益子陶器市」はGW(ゴールデンウィーク)の4月29日から5月7日まで栃木県益子町で開かれます。実に250軒を超える窯元が集まる陶磁器の郷・益子の中から、ぜひチェックしたい5軒の窯元をテーブライフがピックアップ。第3弾の「宮田竜司」さんをお送りします。
宮田さんは、益子陶器市では「岩下広場」に出店中! 「速報:先乗りチェック」でレポートしています。また、テーブルライフコラム「春の陶器市 らくらく行き方&日程まとめ[①関東地方編] 2017 spring」にアクセスと公式情報がまとめられていますのでご参考にしてくださいね。
父の影響で陶芸に興味をもつ
宮田さんのお父様は、世田谷に住んでいた人間国宝「原 清」に弟子入りしたい思うほど、陶芸がお好きだったそうです。原先生が 引っ越してしまったため、残念ながら弟子入りの夢は叶わなかったそうですが、そんな父の影響で、子供の頃から陶芸は身近なものでした。その後成人した宮田さんは陶芸家になる事を志し、22歳で益子に来たそうです。
益子では長谷川製陶所で1年半勤務した後、高内秀剛に7年師事。修行時代は先生の作陶を見て、形の取り方、ろくろなどを学びました。師匠から技術面はもちろん、仕事に取り組む姿勢も教わりました。
「失敗を怖がらない。 最後に成功にたどり着くために、失敗は必要なこと。なにかを始めるときは失敗するのが当たり前」
この姿勢を今でも大切にしているそうです。
茶道具との出会い
昔はオブジェのようなアート作品、投資対象になるような芸術作品を作りたいと思っていたそうです。しかし3、4年前から 茶道をたしなむ方と知り合って、茶道具とふれあっているうちに、お茶の空間を作る「もてなしの心」という考え方に影響を受けました。やがて「茶道具のように、使用しても価値の下がらない物を作りたい」と思うようになりました。
自分の作りたいもの
自分が本当に作りたい器と、お客様に買っていただく器との違いに悩む事もしばしばあるそうです。どうしても自分の作りたい器は「曲(くせ)」が強くなりますが、展示会などでは「曲」がない方が好まれます。自分は「曲」があって男性的でキレがあるもの作りたいが、それではお客様に買っていただけないというのです。このジレンマを埋めたのは、料理人が使う器との出会いでした。
普通の人に使うには、いろいろ使える大きさなど使い勝手が必要で、強い「曲」は必要ない。それは仕方の無い事です。しかし料理屋さんが使うならば、たった一種類の料理を美しく盛りつける器、料理との相性がよければ「曲」が強くてもいいのではないかと思うようになったそうです。
宮田さんは、料理人とのつながりを大切にしていきたいといいます。日本料理の美しさはもちろんのこと、西洋料理の盛りつけの以外に驚く事も多いそうです。料理人からいろいろな意見をもらって、器のアイディアが産まれる事もあるそうです。
窯を開ける時が一番嫌い
宮田さんは他の作業はデーター通りにできるが、竈焚きは開けるまでわからない「窯を開ける瞬間が一番嫌い」といいます。常によい焼き物をストイック追い求める宮田さんの作品は薄く、形も繊細。
益子の土に磁器の土を混ぜて焼いている器は、土物の良さと磁器の良さが共存したセンスのよいルックスが魅力。どんな料理との相性が良いか、想像してみるのも楽しそうですね。一度実物をお手にとって確かめてください。
○宮田さんのうつわで食べられるお店
「京遊膳かが田」
栃木県宇都宮市上戸祭町63-1 >>食べログ
「Bisteria Meli-Melo (ビステリア メリメロ)」
栃木県宇都宮市西川田本町2-14-11 >>食べログ
「和食 了寛 (リョウカン)」
栃木県宇都宮市吉野町1-7-10 >>食べログ
「Ishimaru Ruelle Kachidoki (イシマル リュエル カチドキ)」
東京都中央区勝どき3-5-9 >>食べログ
○個展の予定
5月 浦和伊勢丹
8月 益子もえぎ
10月 佳乃や
12月 吉祥寺東急
○宮田さんのうつわが買える店(在庫をご確認の上お出かけください)
「pejite (ペジテ)」
栃木県芳賀郡益子町益子973-6 電話:0285-81-5494 営業11:00-18:00 木曜定休 http://www.pejite-mashiko.com
「うつわのみせ 佳乃や」
益子町益子3169-1 電話:0285-72-8717 営業:10:00~17:00 金曜定休
「うつわ楓」
東京都港区南青山3-5-5 電話:03-3402-8110 営業:12:00~19:00 火曜定休 >>(青山うつわ散歩)
作家名:宮田 竜司 住所:栃木県芳賀郡益子町益子小宅974−2(ギャラリーはありません) 電話:0285-72-7939
(取材・写真 テーブルライフ編集部)