テーブルライフお茶会「小石原焼倶楽部」発足!

テーブルライフお茶会「小石原倶楽部」発足!

~小石原焼の魅力を伝えよう~

雪のなかホットなお茶会を開催

大寒が過ぎ立春を迎え、少しずつ春の訪れを感じた矢先に、大寒波到来で大雪の予報が出ているなか、無事にテーブルライフの公式オフ会のお茶会を開催することが出来ました。

今回の会場は赤坂見附・永田町の東京ガーデンテラス紀尾井町。徳川家康の元屋敷跡である紀尾井町は、空気がすっきりしていて、弁慶橋からの風景がとても美しいです。

東京ガーデンテラス紀尾井町の1階にある「GARB CENTRAL」は落ち着いた雰囲気で居心地のよいお店です。丸テーブルを囲んで小石原焼談義に花を咲かせました。


テーブルライフプロデュース「小石原焼倶楽部」

今回のお茶会は、テーブルライフコラムのアクセス数でも一番人気を誇る「小石原焼」をテーマとしたお茶会でした。その名も「小石原焼倶楽部」。

小石原焼とは、日本で陶磁器として一番初めに伝統的工芸品として政府から認定された陶器です。福岡県と大分県の県境にある、東峰村の小石原に約50軒の窯元があります。「用の美」を魅力とした日常の生活に寄り添う優しいうつわは、約400年前から一点一点手作業で作られています。

小石原焼の歴史についてのコラムはこちら。

とびカンナや刷毛目、櫛目模様が特徴の小石原焼は、日常使いのうつわとして、人気が急上昇しています。うつわのWEBマガジンとして世界中のうつわのコラムを発信している「テーブルライフコラム」のアクセスの中でも、小石原焼はトップを走る勢いです。

そこで日本の大切な伝統工芸である小石原焼の魅力を語り合い、小石原焼愛を深め、みなさんでその魅力を広めていくことを目的として、テーブルライフがプロデュースする小石原焼ファンクラブ「小石原焼倶楽部」を発足しました。

引用画像:太田剛速氏(まるた窯) instagram


特別ゲストをお迎えして第一回目のお茶会を開催

第一回の活動はオフ感を楽しんでいただく「お茶会」を企画しました。テーブルライフの公式オフ会である「お茶会」は一つのテーブルを囲んでフリースタイルに、カジュアルにおしゃべりをすることで親睦を深めるイベントです。こじんまりしたお茶会は全員とお話がしっかりできて、毎回素敵なエピソードが飛び出してまいります。

今回は、「小石原倶楽部」の第一回目のお茶会ということで、小石原焼に関係している特別ゲストの方をお迎えしました。

お一人目は小石原焼の大人気のブランドシリーズ「小石原ポタリー」のテーブルコーディネートを手掛ける荒井よう子さん。食空間コンセプトクリエーターである荒井よう子さん(Sweet Flag主宰)は年に二回、新宿伊勢丹で開催される、「小石原ポタリー展」でテーブルコーディネートを演出されています。

◆荒井さんのHPはこちら

 

引用画像:スウィートフラッグHP

ちょうどこの時、小石原ポタリー展が開催中で、小石原ポタリーのコーディネートのお話を伺うことが出来ました。

引用画像:荒井よう子さんinstagram

今回の伊勢丹小石原ポタリー展のテーマは「素材にこだわる大人のギャザリング」。そしてテーマカラーは春色。ナチュラル感があり肩ひじ張らない小石原ポタリーをピンクカラーでラブリーテイストに演出する、という意外な組み合わせをよう子さんならではの絶妙なコーディネートで仕上げました。

アクセルジャパンの美しいリネンをふんだんに使ったコーディネートは、ラブリー感がありながらも、どこか落ち着きのある品の良さが伝わってまいります。白蝶貝で出来た蝶々がかわいらしく、春の訪れを感じさせます。四季折々の自然が美しい小石原で作られる小石原焼は、季節感を演出するのによいお仕事をしてくれます。

ここで、荒井よう子さんのテーブルのうつわの合わせ方のワンポイントをご紹介します。

テーブルのアイテムにある4つの素材
①木(漆・植物を含む)
②石(磁器)
③土(陶器)
④ガラス

このうち二つの素材でコーディネートをすると、テーブルがとてもすっきり完成します。絶対にNGというわけではありませんが、磁器と陶器を混ぜるよりは、磁器は磁器同士、陶器は陶器同士で組み合わせると簡単にまとめることができます。陶器だけだと少し重くなるので、ガラスや漆を組み合わせるのがテクニックです。

よう子さんは若いときは白いうつわに惹かれましたが、年齢を重ねるにつれ、色物のうつわにも魅力を感じるようになっていったそうです。また「一枚10000円のうつわは確かに高いかもしれないけれど、365日毎日使ったら一日たったの30円!」ととても面白いエピソードもお話しくださいました。

「ファッションにお金をかけるのと同じ気持ちで、毎日のうつわにお金をかけてみる!」これぞうつわのファッション誌であるテーブルライフの提案するところです!

もうひとかた、東峰村の小石原から素敵なゲストの方をお迎えしました。小石原焼まるた窯、女将さんである太田みほさんです。

みほさんは女将さん業をこなすかたわら、福岡市内でフラワーデザインの講師もされています。お花を通じてご主人様とご縁がつながったお話はとてもロマンティックでした。

※みほさんがフラワーアレンジメントの大会受賞された作品

引用画像:太田剛速氏Facebook

小石原焼まるた窯 Facebookはこちら。

小石原焼のおすすめ窯元 まるた窯のコラムはこちら。

400年の伝統技術を忠実に守りながら、新しいことに挑戦し続けるまるた窯、太田剛速さんの櫛目模様の動画をご紹介します。

太田剛速さんのまるた窯は、小石原焼発祥の窯元の流れを受け継いでいます。剛速さんの作品は国内外での評価がとても高く、数多くの賞を受賞。平成15年にスペインで開催された国際陶芸ビエンナーレ伝統部門にてグランプリを受賞されました。

引用画像:筑前小石原焼 まるた窯 リーフレット

女将さんであるみほさんから、なかなか聞けない小石原焼の歴史的なお話を伺うことができました。

約400年前に7軒の窯元から発祥した小石原焼。太田剛速さんのお祖父様が一子相伝だった窯元の継承から、独立を認め、それぞれ独立していった窯元が自由に作陶するようになっていきました。それがのちに兄弟分である小鹿田焼と一線を画す、自由でオリジナリティ溢れる小石原焼になっていきました。

太田剛速さんは、小石原焼を「用の美の極致」と賞賛した、イギリスの陶芸家バーナード・リーチ氏の学校で修業を積まれ、のちにスペインでも作陶や展示会を開催しました。英国スリップウェアの技法を修得された剛速さんは、小石原焼と英国スリップウェアとを見事に融合させた、「Turnip(ターニップ)※英語で菁(かぶ)」シリーズを展開しています。創作活動に情熱を注ぐ剛速さんの新たな挑戦です。

そして小石原焼といえば「とびカンナ」ですね!

動画引用:小石原焼Turnip(まるた窯) Facebook

日本で初めて伝統的工芸品として認められた小石原焼。その伝統文化が衰退しないように女将さんもスポークスマンとして、作陶家であるご主人様の想いを伝えています。

福岡県としても小川県知事が、大事な伝統工芸である小石原焼や高取焼を大切にしていこうという働きかけを始めたそうです。「使ってもらわないと意味がない」。伝統工芸を守るのはまさに、「使い手」である私たちなのですね。

引用画像:まるた窯(太田剛速氏)instagram

九州北部を襲った豪雨災害。まるた窯もその被害に見舞われました。悲しいことに東峰村全体も大変な被害に遭いましたが、みほさんがその時の気持ちをお話くださいました。

「今までは電気の灯りが当たり前でしたが、災害で停電にいなってしまったとき、ひとつの部屋でキャンドルの灯りで過ごしていたら、月がこんなに美しいということに気付かされました…。」

引用画像:まるた窯(太田剛速氏) instagram

引用画像:まるた窯(太田剛速氏)instagram

災害の復興がこれからもまだまだ進み、今までの日常が戻りますようお祈りいたします。

筑前小石原焼 まるた窯 太田 剛速
住  所:〒838-1601 福岡県朝倉郡東峰村大字小石原666-3
電話番号:0946-74-2220 
営業時間:不定休 8:30~17:30(ただし年末・年始は要確認)
駐 車 場:あり
陶芸体験:あり
アクセス:福岡市内から車で約1時間30分。道の駅小石原から徒歩約5分。
ホームページ:http://gousoku.hanawebnet.com/

小石原焼ファンのお客様 小石原焼倶楽部初の会員さま

小石原焼倶楽部を発足させて、第一回目のお茶会に一番初めに参加表明をくださったのは、Tomokoさん。バッグブランドのオーナーデザイナーであるTomokoさんは福岡にご自宅がありますが、この日はちょうど東京の大学に通うお嬢様のところに滞在されているということで、絶好のタイミングで参加のお申し込みをくださいました。小石原焼倶楽部会員番号第1番です!

Tomokoさんは、福岡でも時々小石原焼の陶の里である、福岡県東峰村の窯元めぐりを楽しまれています。

Tomokoさんが初めて小石原焼に出逢ったのは、羽田空港第一ターミナルにある伊勢丹のなかの「ローズベーカリー」でした。フランスの大人気カフェ「ローズベーカリー」では、当時、小石原焼を使ったり、オリジナルのマグカップを販売していました。

小石原ポタリーのローズベーカリー限定のマグカップはTomokoさんにとって衝撃的で、これまでの小石原焼のイメージを覆したそうです。

Tomokoさんは東京のお嬢様宅でも小石原焼を愛用されています。一人暮らしのお嬢様がうつわ使いを楽しみながらお料理しているエピソードは、子育てのとても大切なことを気づかせてくれますね。

小石原焼倶楽部会員番号第2番の方は、東京在住の磨須美さん。昨年、息子さんの東京の大学進学に合わせて福岡から東京にお引越しされました。グラフィックデザイナーのお仕事をされている磨須美さんはミセスモデル(㈱アンベル所属:福岡市)としても活躍されています

福岡在住のときに、小石原焼、圭秀窯のスープボウルに出会い、それ以来小石原焼がお気に入りになったそうです。実はライターの私も当時福岡に住んでいて、磨須美さんとおそろいのスープボウルを購入したことから磨須美さんとご縁がつながりました。うつわでつながるご縁でした。

引用画像:naoko_keishuu(圭秀窯)instagram

小石原焼の多くは電子レンジやオーブンで使用することが出来ます。圭秀窯のスープボウルはグラタン皿としても、とてもかわいらしく使うことができて大人気のうつわです。飴と白の二色の釉薬は圭秀窯ならではです。

圭秀窯のうつわはテーブルライフオンラインストアからもお求めいただけます。


うつわセラピー @お茶会

今回のお茶会でも、とても素敵なお話が出てまいりました。

うつわ好きな方々と、うつわのお話で盛り上がっていくうちに、毎回、心の奥にしまっていたうつわの思い出が蘇ってきます。うつわセラピーです!

「ちょっと私もお話しさせていただいてよろしいですか?・・・」

と、磨須美さんの表情が真剣に・・・

福岡でお子さま二人を育てられた磨須美さんは、お子さまが小学生のころ小石原焼の素敵な思い出がありました。福岡市では小学4年生の時の社会科見学で、小石原を訪れて地元の伝統工芸である小石原焼を学びます。お小遣いをいくらか決めて持っていき、小石原焼の窯元でお買い物をするという楽しい体験があります。磨須美さんの二人のお子さまは、「お母さんをイメージしたうつわ」を選んでお土産に買って帰ったそうです。

それがこちらです。

 

上はお姉さんが選んだ小石原焼。

下は弟さんが選んだ小石原焼。

姉弟でも選ぶうつわの雰囲気が違うのが面白いですね。

福岡市が取り組んでいる社会科見学はとてもよい影響が及んでいて、子供たちが持ち帰ったり作った小石原焼をきっかけに、子供が親を小石原に連れてくるそうです。

また、日常の食卓で小石原焼を楽しむことで、おうちごはんと共にうつわも愛おしくなり、子供たちが大人になったときに自然と小石原焼で食卓を彩るようになっていくのではないでしょうか。伝統工芸を受け継いでいくというのはこういうことなのですね!

磨須美さんのお話から、次世代に文化を受け継いでいくのは、毎日の生活のワンシーンからなのだとみんなでしみじみうなづきました。


小石原焼倶楽部のお茶会にて

今回の第一回、小石原焼倶楽部のお茶会は、面白いことに、作り手・広報・流通・コーディネート演出・使い手の全ての立場の人が揃いました!それぞれの立場から意見交換ができたことは、胸が熱くなるくらいに充実した内容になりました。

6人の想いが一つにつながり、新しいアイディアが生まれ、小石原焼をみんなで大切に伝えていこうという気持ちで一つになりました。

そしてお茶会のあと、会期まっただ中の新宿伊勢丹の小石原ポタリー展に、コーディネーター荒井よう子さんと一緒にハシゴするという、何とも贅沢なツアーに!

Tomokoさんは小石原ポタリーがとてもお気に入りのようで、東京のお嬢様とふたりで使うスープボウルを購入しました。フードコーディネーター長尾智子さんの考案したスープボウルは、お味噌汁にも、ご飯にも、デザートにも幅広く使える優れものです。

さっそく素敵な小石原焼あさごはんを・・・

また、翌日には東京ドームで開催している、テーブルウェアフェスティバルの小石原焼・高取焼ブースに、まるた窯の太田みほさんはじめ女将さんたちに会いに行かれました。とても楽しくうつわをご覧になりました。

こちらはTomokoさんの戦利品です。


荒井よう子さん×小石原焼まるた窯 うつわスタイル

小石原焼倶楽部お茶会の後日談で、こんな素敵な出来事がありました。

小石原焼まるた窯の美しいブルーのうつわを使って、荒井よう子さんがキャロットラぺを盛り付けてくださいました。艶やかなブルーに色鮮やかな人参のオレンジ色が美しいコントラスになっています。何より感動したのは、コーディネーターさんと窯元さんの交流による「うつわスタイル」。お茶会を通じて、ご縁結びが出来て、感無量でした。

引用画像:荒井よう子さん instagram

 


小石原焼の輪は心温まりながら広がりました。私たちテーブルライフ編集部もお一人おひとりのお客様とのご縁を大切にしながら、これからも小石原焼の魅力を伝えていきたいと思います。

小石原焼倶楽部の活動を今後も計画してまいります!

「使い手」があってこそ、伝統工芸は受け継がれていきます。

みなさんで「#小石原焼を使おう」!

(テーブルライフ編集部)

アイキャッチ画像 引用:yukiyama2 instagram