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【フラッグス・窯元潜入レポ】有田焼・親和伯父山窯 岩永真祐さんインタビュー

June 18, 2018
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【フラッグス・窯元潜入レポ】有田焼・親和伯父山窯 岩永真祐さんインタビュー

有田焼創業400年事業がきっかけで集まった7人の窯元当主たち「フラッグス」。テーブルライフが独占インタビューさせていただいた個々の窯元や作品についてもっと詳しくご紹介していきます!

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  7. その6 副千製陶所 副島謙一さんインタビュー
  8. その7 福珠窯 福田雄介さんインタビュー

今回はバンダナ姿が印象的な伯父山窯・岩永真祐さんにインタビュー。作品に込めた思いやフラッグスメンバーとしての活動への意気込みをたくさん伺ってきました!

株式会社 親和伯父山

〒844-0021 
佐賀県西松浦郡有田町応法丙3565
TEL:0955-43-3141

Facebook:https://www.facebook.com/aritakikunoka/

引用:菊の馨 – きくのかFacebookより

有田地区の北側に位置する自然豊かな場所、応法(おうぼう)地区。

昔ながらの窯元が連なるこの地域に伯父山窯があります。

北欧食器のようなモダンでスタイリッシュな器

フラッグスの活動にあたり、伯父山窯さんではシンプルで美しい菊絵が特徴の菊ノ馨(KIKU NO KA)シリーズを作られています。

-菊ノ馨(KIKU NO KA)のコンセプト、また名前の由来を教えて下さい

うちの窯元は有田の山奥にある応法(おうぼう)という地域に位置し、江戸時代から染付(そめつけ)という白地に青の顔料で描いた徳利や盃などの日用食器を作ってきました。その中で3代目にあたる祖父が編み出したのがこちらの菊の柄です。

筆跡と筆のシルエットのみで描くこちらの模様は「菊絵」と呼ばれ、半世紀以上の大ヒットとなりました。 私自身この菊絵を現代のライフスタイルに合わせた形にしたいと考えています。祖父が確立した菊絵から出る香りが「作り手」から「お客様」、そして「世の中」に広がり、この3つが幸せになることを願って「菊ノ馨」と命名しました。

今まで気付かなかった絵柄の魅力

-苦労した点などありますか?

うちの窯はひときわ多品種なので、ブランド化していく上でどのアイテムでいくか、絞りこむのが大変でした。ちなみに今うちの窯元には今2万種類以上の型があります(笑)。型の管理もとにかく大変です。そんな中、フラッグスの活動において自分がどの路線でいくか自問自答の連続でしたね。数ある案の中で、うちの窯にしかない特徴あるもの詰めていき残ったのがこちらの菊絵でした。

こうおっしゃる岩永さんですが、最初は幼い頃から見てきたこの菊絵を出すことにものすごい抵抗があったらしいですが、フラッグスメンバーの後押しもあり、今では長年全国に親しまれているこの菊絵に誇りを持っているとのことです。

特徴は美しく力強い青

-青の色味が力強く大変美しいですね。そこには何かこだわりなどありますか?

はい。数ある青色の中で古代呉須3号という色のみを使っています。他の色で試したのですが、この色に勝るものはありません。濃い目の色味を出すために水の量を少なくして描いています。そのためサラサラと描けないため、かなり勢いよく筆を運ばないといけませんが、それにより力強く深みのある青が出るんです。海外にはない色らしく、外国の方からとても深みのある青だとよくお褒めの言葉をいただきます。

またこの色味の濃淡を出すことが難しいだけでなく、人の手のクセが出やすいという特徴もあります。そのためこの菊絵を今描けるのは私ともう1人の従業員の2人だけです。

-2人しか描けないとなると量産はあまりできないのでは?

熟練した職人だからこそ手早くも描けるんです。2人だけで1ヶ月500ピースぐらいできますよ。プレートは平面なので描きにくいのですが、描きやすい湯呑みですと1日で100ピースぐらいは描けます。


引用:菊の馨 – きくのかFacebookより

簡単そうでとても難しい菊絵の絵付け風景。熟練された職人ならではの技法です。

ー菊絵を描く筆にもこだわりがありますか?

はい。普通の筆ではなく真直線にカットした角切りの筆を使っています。そして素材もイタチ毛ではないと描けません。微妙なグラデーションを出す柔らかさや太さがちょうどいいんです。また「菊絵」は筆跡とシルエットのみで構成されるデザインですが、器の形状によって筆を変えて描く時もあります。

有田焼をカジュアルなシーンで使って欲しい

-こちらの器をどのようなシーンでどういった方々に使っていただきたいですか?

30~40代の若い層の人たちが休日のブランチで手軽に使えるような器として使っていただきたいですね。おしゃれな器があるだけで楽しい食卓になりますから。

-今後の課題、目標についてお聞かせください

ブランドの扱い方、販売の仕方、そして広め方ですね。有田焼は世界でも特に上質な*天草陶石という石を使い、薄くて・軽くて・色が綺麗で丈夫、しかも地が白なのでどんな色でも表現しやすい器。それをいかに多くの人に認知してもらい購入していただくか、作り手から使い手の方への新たなアプローチを構築していきたいですね。

また50年前からあるこの菊絵は最近ブームの北欧柄みたいと言われていることもあり、今後は若い人たちが使えるような今風のアイテムをたくさん作っていきたいです。 そして将来的にはわが窯独自の染付けが若い人にも広がればいいな、と思っています。フラッグスとしてはこの菊絵を元に色々とプロモーション活動をしていきたいです。

*天草陶石: 熊本県天草郡で産出される、釉および素地のどちらにも使用される陶磁器原料になる陶石。濁りがなく強度と透明感があり、世界的でも特にクオリティが高いことで有名。有田焼・波佐見焼・京(清水)焼などで使われている。

トレードマークは額に巻いたバンダナ姿

-OFFの日はどうやって過ごされていますか?

趣味のバンド活動やショッピングなど、器から完全に離れていますね。

額に巻いたバンダナがトレードマークの岩永さん。一見職人さんとは思えぬお姿ですが(笑)、器に対する情熱はかなりのもの。お話を伺いその思いがひしひしと伝わってきました。

また職人としてだけでなく、有田のプロモーション活動の一環として有田焼窯元の若手職人でやっているオープンファクトリーでツアーコンダクター的なこともされているそうです。

引用(一部):菊の馨 – きくのかFacebookより

親和伯父山窯・菊ノ馨についてはこちらをご覧下さい。
Facebook:https://www.facebook.com/aritakikunoka/

テーブルライフではこの先もフラッグスの動向に注目していきます!

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  7. その6 副千製陶所 副島謙一さんインタビュー
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[2018年6月18日現在 取材・編集テーブルライフ編集部]

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