1日にいても飽きない! 益子焼のテーマパーク「つかもと」の過ごし方

「買う・見る・作る・食べる」益子焼を堪能できるスポットです

陶芸のテーマパーク「つかもと」とは?

創業150年という、益子で最大手の窯元です。約4000坪の広大な敷地にはつかもと美術記念館や、食事のできる平成館(要予約)などが建ちならんでいます。直営ショップでは、普段使いによさそうな「つかもとオリジナル」のうつわがディスプレイされています。
また敷地内のレストランでは、つかもとがうつわを作成している駅弁の「峠の釜めし」等を味わうことができます。一方、作家館では著名・有名作家の作品が、バリエーション豊かにそろっており、定期的に個展も開催されています。また、工場見学や作陶体験などもできて、益子焼を深く知るテーマパークとなっています。

【施設概要】
 住所:栃木県芳賀郡益子町益子4264
 TEL:0285-72-3223
 定休日:木曜日
 URL:http://www.tsukamoto.net/

塚本窯について~益子焼の歴史との関係

1864創業。1957年信越線横川駅の「峠の釜めし」の弁当容器の釜(通称:釜っこ)を製造。この商品が大変な評判になり、自社製造だけでは補いきれなくなったため、20軒に及ぶ窯元に発注しました。これによって益子焼業界の経営が安定したといわれています。

一方、民芸品ブームにより益子焼の需要も活発になり、 生産体制を整えることが急務となりました。塚本窯では、4代目社長・塚本武の夫人シゲが、 ”従来の陶工に、新しい美的感覚を備えたデザイナーが加わることによって、魅力ある益子焼が生まれる” という確信のもと、外部の陶芸志願者を受け入れる「研究生制度」を設けました。 この制度は、加守田章二(かもだしょうじ)など、数多くの陶芸家を世に送り出しました。



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「つかもと」の4つの楽しみ方

1.買う~日用品から人間国宝まで

本館では、湯呑、花器など日用品を中心に販売しています。窯元が自信を持ってすすめる、自宅用から贈答・お土産品まで幅広い品ぞろえが魅力のショップです。
引用画像: http://www.tsukamoto.net/main_building/

一方、作家館では、人間国宝・故浜田庄司の作品をはじめ、選りすぐった益子在住の陶芸家の作品を展示販売しています。 店内2箇所のギャラリーでは、毎月個展が開催されています。
引用画像:http://www.tsukamoto.net/artist/


オンラインショップもあります~買い忘れや買い足しに便利!

つかもとは、釜めし容器の「kamacco(釜っこ)」、包装紙のデザインを再現した「レリーフシリーズ」などのオリジナル商品を多数手がけています。これらのオリジナル商品はオンラインショップでも購入可能。気になっていた器を買い忘れた…、あと何個か買い足したい場合、現地に行かずに購入できるのは便利ですね!
引用画像:kamacco

【オンラインショップURL 】http://shop.tsukamoto.net/

2.見る
巨匠の作品から新進の作家まで様々な器を観賞

敷地内にある「つかもと美術記念館」には、浜田庄司・河井寛次郎・芹沢銈介・加守田章二・合田好道・島岡達三らの「つかもと」とゆかりの深い巨匠たちの作品が展示されています。あわせて「つかもと」の歴史資料やノスタルジックな生活用品も見ることができます。美術館には茶房が併設されており、作家のうつわでくつろぐことができます。ちなみに、美術館の建物は、明治20年頃に建築された豪壮な庄屋造りで、塚本家の母屋として使われていたものです。

引用画像:http://www.tsukamoto.net/museum/


工房・工場見学~登り窯や製作過程を見学できます

 「益子焼工房」では、予約制で土練り、成形、絵付けなど各製作工程を見学できます。また、薪を使って焼き上げを行う登り窯も見ることができますよ。
引用画像:登り窯

また、峠の釜めしの容器を製作する「釜工場」も見学可能です。機械化された工場では、1日約1万個の釜が生産されます。
引用画像:釜工場の内部

【見学情報】
・つかもと記念美術館
営業時間:10:00~16:00
定休日:木曜日
入館料:一般300円(270円)/ 小学生150円(130円)
 *カッコ内は15名以上の団体料金 
URL:http://www.tsukamoto.net/museum/
・益子焼工房(要予約)
TEL:0285-72-3223
営業時間:8:30~17:00(12:00~13:00は休憩時間)
定休日:木曜日、隔週水曜日
※なお、一部見学できない工程があります。
URL:http://www.tsukamoto.net/atelier/
・釜工場(見学自由)
営業時間:平日・9:00~10:00、10:15~12:00、13:00~15:00
定休日:日曜日、隔週土曜日
URL:http://www.tsukamoto.net/observe/



3.作る~陶芸体験で世界で1つの器を作ろう

陶芸体験では、「ロクロ体験」、「手ひねり体験」、「絵付け体験」の3つのコースがあります。スタッフさんが説明、指導してくれるので、初心者から楽しむことができます。作成したうつわは、後日焼き上げを行い、完成までに45日程度かかります。
引用画像:絵付け体験の様子

【各コース詳細】
受付方法:随時受付。団体利用は電話予約がおすすめ。
TEL:0285-72-5151へお問い合わせ下さい(9:00~17:00)
・ロクロ体験 http://www.tsukamoto.net/potter/rokuro.html
・手ひねり体験 http://www.tsukamoto.net/potter/tehineri.html
・絵付け体験 http://www.tsukamoto.net/potter/etsuke.html

4.食べる~益子焼で名物を味わう

レストホール

10名以上の団体用のメニューもある「レストホール」では、益子名物「ビルマ汁」や峠の釜めし、和定食等を食べることができます。なお、「峠の釜めし」はテイクアウトも可能です。(期間限定)
引用画像:名物「峠の釜めし」

蕎麦処「つかもと」

施設内にある古民家「迎賓館」を新装オープンした蕎麦処。 内閣総理大臣賞を受賞した益子産の地粉にこだわった手打ち蕎麦を、「つかもと」のうつわとともに味わうことができます。また、昭和42年に棟方志功がこの地を夫人と訪れました。その際「迎賓館」で「富嶽図」と「群鯉図」 の六曲一双の屏風絵を3泊4日かけて制作しました。
引用画像:蕎麦処外観&天もり蕎麦

美術館記念茶房

「つかもと記念美術館」に併設されている茶房。人間国宝・島岡達三のうつわで珈琲をあ味わうことができ、人気作家の茶碗で抹茶を楽しむことができます。どこか懐かしい建物の雰囲気と上質なうつわで一息ついてはいかがでしょう。
引用画像:茶房の内部

【店舗情報】
・レストホール
営業時間:8:30~16:30(ラストオーダー15:30)
定休日:木曜日
URL:http://www.tsukamoto.net/lounge/
・蕎麦処つかもと
営業時間:11:00~15:00
定休日:水曜日・木曜日
URL:http://www.tsukamoto.net/soba/・美術館記念茶房
営業時間:11:00~16:00
定休日:木曜日
URL:http://www.tsukamoto.net/museumcafe/



「つかもと」では、ここ1か所でさまざまな経験ができるのが、お分かりいただけましたでしょうか? お気に入りのうつわを選ぶだけでなく、美術鑑賞や陶器づくりにチャレンジするなど、自分なりの楽しみ方をしてみましょう。益子の中心から少し離れているため、落ちついてショッピングや食事ができます。ファミリーだけでなく、幅広い年齢層に使える施設です。

[取材・編集 テーブルライフ編集部 Chiaki]

Chiaki(粟村千晶)
テーブルウェアスタイリスト&整理収納アドバイザー
一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会認定プロフェッショナルテーブルウェアスタイリスト・食空間コーディネーター3級・整理収納アドバイザー1級。
このコラムでは、テーブルコーディネートの専門知識や現場でのコーディネート経験をいいかして、おすすめのうつわ紹介から食器収納のアイデアまで幅広い情報を発信していきます。
Instagram:awamurac
Blog:https://tablestyling.amebaownd.com/